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講師への道 序章 ①はじまり

私が本稿を書く理由

はじめまして。とある中堅研修会社に勤める「おけまる」と言います。中途採用で入社して、もう10年以上になります。
10年一区切りなので、これまで培った講師としての知識、スキル、マインドを体系的に整理し、note上に無料で公開したいと思います。理由は大きく3つあります。

第一に、体系的に整理された、講師のための指南書が世の中にないからです。分かりやすくて実践的実用的で、誰もがアクセスしやすいものはないというのが、個人的な印象です。一方で、講師業を既にやっている方、これから志す方はそれなりにいます。ニーズがあるのにそれを満たすものがない。だったら、作れば喜ばれるのではないかと考えました。

第二に、自分が培ったノウハウを言語化、形式知化することで、講師としての自らのスキルをさらに磨くとともに、後進育成に役立てたいと思ったからです。つまり、このnoteを書くことにした動機の三分の一は、自分のためであり、自分が所属する会社のためでもあります。

第三に、世の中に蔓延するしょうもない講師が提供する、しょうもない研修を一掃したいからです。これは、「しょうもない講師を鍛えたい」という意味ではありません。そうではなくて、ちょっと上から目線ですみません、顧客企業に「目利き力」を高めてもらうことで、しょうもない講師、研修を一掃するというアプローチです。

夢に見た理想像

なぜ無料でノウハウを公開するのか

このように書くと、「おけまるは現在もなお、研修会社に所属していて現役の講師でありながら、そのノウハウを無料で公開していいの?顧客企業の目利き力が高まれば、生き残り競争が激しくなるということじゃないの?」と、心配されたりいぶかったりする方がいらっしゃるかもしれません。

それは大丈夫です。本当の意味での講師業は、ノウハウ集を読めば即できるようになるようなものではありません。奥深いです。一生かけても到達できない境地というものが存在します。おそらく。私も「未到」なので、あくまで予感であり想像です。
ですが、これから整理する講師ノウハウは、顧客の目利き力を高めるのに、あるいは講師を志す方にとって一定程度、役に立つ「知識」となるはずです。確かにそうなると研修会社としての、いち講師としての生き残りは楽ではなくなってくると思いますが、それが健全な自己変革やイノベーションを起こすと思っています。

千里の道も一歩から…

私は何者なのか

さて、ここまで書くと、「おけまるに講師ノウハウをまとめるだけの経験やノウハウがあるのか?」と、疑問を持たれるでしょう。なので、少しだけ自身のキャリアを自己紹介させてください。

私が所属する研修会社は、顧客企業が抱える人材育成上、組織運営上、あるいは戦略遂行上の何らかの課題の解決手段として、カスタマイズした研修プログラムを提供することを旨としています。私は、このカスタマイズの担い手としての「コンサルタント」として11年前に今の会社に中途入社いたしました。具体的な役割は、ソリューション営業、研修プログラムの企画、教材作成、研修運営で、その延長線上に講師登壇もあります。

私は入社後3年目ぐらいからぽつぽつと登壇するようになり、コロナ禍前の2019年以前は年間で30回前後の登壇回数だったと記憶しています。その後、コロナ禍によるリモートシフトを機に登壇機会が激増し、直近3年間では332回登壇(1時間のセミナーも、半日のオンライン研修も、1泊2日の対面集合研修も1回と数えて記録しています)しました。今年も年間100回超のペースで登壇しています。

まいにち、まいにち、僕らは鉄板の ♪

講師という役割のみを専任で担っているのではないので、顧客課題のソリューションとしての研修の企画に上流工程から関わっています。研修プログラムの立案と教材作成も自ら手掛けているので、実践的にインストラクショナルデザインを学んできました。ただし私はあくまでも実務家なので、アカデミックなセオリーに則っているわけではありません。

前職は自動車ディーラーの再生を請け負うハンズオン型のコンサルタントをやっていましたので、営業周り、商談コミュニケーションスキルが得意領域です。そこから派生して、マネジャーやリーダーのピープルマネジメントスキル、ロジカルシンキングなどの領域で登壇することも多いです。中小企業診断士であり、MBAホルダーでもありますので、それらの知識を応用することもあります。

また、当社の研修は座学形式ではなく、受講者とインタラクティブな対話を通じて進めるワークショップ形式なので、ファシリテーションやコーチング、フィードバックスキルなども実践的に身に付けてきました。ですので、その領域で登壇することも少なくありません。

以上が私自身のキャリアの自己紹介となります。このような私が、冒頭掲げた3つの理由で、講師として培ってきた知識、スキル、マインドを無料公開していきます。次回は、これから体系化したいノウハウの全体像をまず整理します。

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