はじめに ぐるぐるなる体系を知るために
ーーーコロナ禍が始まる頃ほぼ初めて意識した。体系というものがあり、その上で生きているということを。
京都在住のわたしのまわりは自営業の人が多い。コロナ禍が始まる頃、わたしは就労していた会社との契約が終わり無職になろうとしていた。流れに抗うわけでもなく雇用保険でしばらくゆっくりしようと考えていたが、のんびり構えていたわたしとは反対にまわりの飲食業を営むお友達たちは政府からの規制で困りだしていた。それは、わたしに「わたしたちは否応なく逃れることができない社会や経済と言った枠組み