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受賞作、雑感、ナラティブの行方
「貝に続く場所にて」は詩として、 「彼岸花(ひがんばな)が咲く島」は寓話として読み進めた。前者は震災後の記憶の蓄積と祈り、後者はクレオール文化が閉ざされた世界で混ざり合い葛藤する世界、どちらも読み応えがあって面白い。
「貝に続く場所にて」
本作はコロナ禍が影を落とす異国の街に、ドイツの学術都市に暮らす私の元に、震災で行方不明になったはずの友人が現れる。そんな9年前の光景をを言葉で埋めてゆく。静謐な祈りをこめて描く鎮魂の物語だ。
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