Pix4Dcatch+ViDocRTK【PIX4Dcatch RTK】を用いたVRSによる単点計測
ご挨拶
弊社は岡山県岡山市に本社を構えるCRAFTCOM株式会社です。
業務内容は主に全国の建設会社様のICT・BIMCIMサポートや内製化支援並びにコンサルティングを行っており、利益成績UP・branding構築・社内教育レジリエンス向上並びに戦略コンサル/国交省ICTサポート企業/土木サポート協会常任理事/土木系セミナー講師/建設系企業アドバイザーなど全国対応かつ多岐に渡ります。
はじめに
この度、Pix4Dcatch+ViDocRTK【ユニット正式名称:PIX4Dcatch RTK】の販売代理店を行う運びとなりまして、意外と知られていない機能や便利な使用方法などのご紹介をしたいと考えていたところ、協業している宮崎県宮崎市の株式会社金本組様と共同で実証実験を行うことになりました。
㈱金本組様のご紹介
株式会社金本組様は土木建設事業・ICT事業・再エネ事業・解体工事業など幅広く手掛ける今注目の建設企業様です。
PIX4Dcatch RTKとは
Pix4DcatchRTKについて詳しく知りたい方はこちらを御覧ください。RTKの測量レベルの精度を持った地上3Dスキャンツールであり、NETIS登録もさることながら、i-Construction出来形管理要領に準拠(第2編土工-第14編土工1,000㎥未満)したフォトグラメトリによる新しいモバイルスキャンです。
CRAFTCOM株式会社のPIX4Dcatch RTK活用術
弊社の導入の背景や活用方法について詳しく知りたい方はこちらの事例紹介のページを是非御覧ください。
1)PIX4Dcatch RTKと1級GNSSRoverによる単点観測
1-1)目的
1級GNSSローバーによるVRS単点観測とPIX4Dcatch RTKのVRS単点観測の取得座標値を比較し精度を検証する。
1-2)検証場所
宮崎県宮崎市田野町 株式会社金本組様工場
1-3)使用器械
・GNSSローバー【Trimble SPS986 GNSS Smart Antenna】
・PIX4Dcatch RTK【iPhoneにpix4DcatchをInstallしてViDocRTKキット取付】
株式会社金本組様の保有器械
1-4)計測日時
2023年12月20日(水)11時~12時の間
1-5)計測方法
・測量用ポールに取り付けたGNSSローバーを用いてVRS観測を行う
・アンテナを取り外しポール用アダプタでVidocを取り付けPix4DCatchRTKで同じくVRS単点観測を行う。
・VRS観測にあたっては、同じ位置補正サービス会社の回線を使用した。
1-6)実施状況
2)検証結果
2-1)Trimble SPS986 GNSS Roverによる取得結果
2-2)Pix4DCatchRTKによる取得結果
2-3)緯度経度を世界測地系座標に変換
2-4)楕円体高をジオイド高計算から標高に変換
2-5)変換結果
2-6)Pix4DCatchRTKとTrimble SPS986 GNSS Roverによる取得結果比較
上記のようにX=5mm Y=4mm Z=14mm とかなりの高精度であることが確認出来た。
3)Pix4DCatchRTKでVRS単点計測が出来るメリットとは?
3-1)GNSSローバーが必要なくなる場面が増える
Pix4DCatchRTKはスマホで持ち運びが便利です。ポケットに入れておいて、RTKキットを必要なときに接続し、現地調査を行う。
その際に、基準となる測量ポイントに位置座標を付与したいとき、測量ポールと接続するだけでVRS単点計測が可能になります。
つまり煩わしい測量器械の持ち運びが必要なくなると想定されます。
3-2)GNSSローバーが別の現場に出払っているときの代替器として利用
GNSSローバーは高価な測量器械です。
その手軽さゆえ、UAV測量や位置測量などに使用する頻度は高いのですが、高価なゆえに複数台保有することは難しいのではないでしょうか。
Pix4DCatchRTKなら2台目のGNSSローバーとして使用することが出来ます。
(使用用途によっては限定される場合があります)
また費用的にもかなりの安価でVRS単点観測が可能になります。
3-3)民間工事の座標付けに
これからの民間工事や建築工事でも任意座標で施工・施工管理する時代ではありません。オープンデータなど利用して周辺との調和や建築土工の3DMCによる制御など、建築民間工事もまたDX化への変貌が要求されています。
Pix4DCatchRTKなら、スマホ一台でGNSSローバーとして測量基準点の設置が可能です。
4)まとめ
産業用モバイルスキャンは群雄割拠で様々なデバイスやサービスが提供されています。今後ますます手軽な3Dスキャン用ツールとして市場が伸びていくことが想定されます。
LiDARによるスキャンは良いところもありますが、点群密度が不足したりエッジ(角)の再現性が低かったりする場合が多々あります。
また専用の地上レーザースキャナーは非常に高価かつ、専門性の高い知識が必要になるなどの中小企業には導入のハードルが高いツールでもあります。
とはいえ、Pix4DCatchRTKを導入すれば全て解決する訳ではありません。
大事なことは目的と手段に応じた「適切な費用対効果を想定すること」と、それに合致した器械の導入ではないでしょうか。
5)SPECIAL THANKS
株式会社金本組 ICT推進担当 萩原聖也 様