自己肯定感の高め方

 自己肯定感の低さは、多くの場合、単なる経験不足から来ている。経験がないことについても「何とかなる」と思える根拠のない自信を持てれば、自己肯定感の低さは解決しやすい。このような自信は子供の頃には誰でも持っているものだが、大人になるにつれて失われがちだ。特に日本は。
 子供の頃は誰でも新しい挑戦に対して無限の好奇心と「何とかなる」という根拠のない自信を持っていた。しかし学習性無力感という概念が示すのと同様に、失敗や挫折の経験が積み重なると、次第に自信を失っていく。「何をやっても無駄だ」という感覚に陥り自分の能力に対する信頼が揺らぐので、自己肯定感を低下させて「わきまえる」ことで安心するようになる。
 日本文化において、この学習性無力感が特に顕著である。日本社会は、謙虚さや自己批判を美徳とする傾向が強い。これは日本では大人の態度と勘違いされやすいが、過度に自己否定的になると何の実績も失敗もないのに自己肯定感だけが低くなりやすい。このような環境を是として育つと自分に対する信頼が欠如し、自己肯定感が低くなってしまいがちだ。
 大人になるとは、諦めた数が多いことではなく、経験値が多いことである。多くの経験を積むことで自己肯定感を高めることができる。すでに自己肯定感が失われている人でも新しい経験を積むことで、「何とかなる」という感覚を再び取り戻すことが可能だ。たとえば、新しいスキルを学んだり、新しい人間関係を築いたりすることで、自分の能力に対する信頼を取り戻せる。
 経験が増えれば増えるほど、失敗に対する耐性も高まり、自己肯定感が向上する。年齢的には大人と呼ばれる歳になっても子供の時のような感覚で新しいことに挑戦し続けることで、真の大人となり、自分自身に対する信頼を築いていくことかできる。自己肯定感の低さを克服するためには、自分の能力を信じて、新しい経験を積むことが大切だ。
 しかし、自己肯定感を高めるためには、単に経験を積むだけでは不十分だ。経験を通じて得た学びや気づきを積極的に活かすことが重要だ。失敗を恐れず、失敗から学ぶ姿勢を持つことで、自己肯定感を向上させることができる。
 失敗は誰でも怖いものだが、その失敗の経験が周りの人を笑わせたり、その人たちが同じ轍を踏むことを避けてくれるアドバイスになったりと、助けや楽しさを生むものであるなら、無駄ではないし、周りを助けられるということを人は報酬と感じる本能を持っているので、自他共にメリットは多い。
 もし失敗を揶揄してくる人がいたら「こいつは経験の多さを培う行動に踏み込むことができない、運次第で自己肯定感が揺らぐ危うい奴なんだな」くらいに見て無視すればいい。そして経験の多さを肯定してくれる真の大人はどんな場所にも必ずいるので、そういう人と笑いながら無理のない範囲で楽しく生活するといい。
 結論、自己肯定感の低さは単なる経験不足によるものであり、新しい経験を積むことで「何とかなる」という自信を取り戻すことが可能だ。学習性無力感に陥らず、自分の能力を信じて新しい挑戦を続けることで、自己肯定感を高めていくことができるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?