ch.3:一次試験、戦略の勝利?~独学で国家総合職【政治・国際・人文区分】受験・合格記~
・一次試験(3年春休み、3/17)
というわけで、絶望の中とりあえずの精神で受験に来ました。
受験会場で知る、政治・国際区分のマイノリティ感。法律区分の受付待機列が長すぎてディズニーにでも来てしまったかと錯覚していたところ、政治・国際区分の受付け列は無いに等しかったです。経済や理工系区分の方はもっと心細いんだろうな……。
ちなみに、試験会場の最寄り駅と試験会場の間のどこかのコンビニでお昼ご飯を買おうと思ったら、同じ考えの人がたくさんいたようでコンビニはもぬけの殻になっていました。仕方なく、少しルートから外れたコンビニにてご飯を購入。
一次試験は
午前:基礎能力(30題、2時間20分)
午後:専門多肢選択(40題、3時間30分)
という流れでした。集中してると思ったより早く時が過ぎますが、糖分は確実に消費されていくので昼休みの糖分補給は必須。森永のラムネを頬張りました。
・午前:基礎能力
ch.2で書いた通り、試験前はほとんど基礎能力の演習は出来なかったので、直前にスー過去をパラパラと見返して判断推理の各問題類型での解き方(表の使いかたなど)を確認してました。
戦略としては、文章理解10題と資料解釈3題に時間をかけて全問正解を目指し、残り時間で知識問題6題をササっと片付けた後に数的処理11題をできるところまでやる、という形を取りました。
ちゃんと対策してきてないので、読めば/時間をかけて計算すれば絶対に正解に辿り着けるところをしっかり得点して、あとは運任せ的な策略です。
正確な時間配分は覚えていませんが、文章理解・資料解釈、知識問題で1時間20分ほどを使って、残り1時間で数的処理に取り組んだと思います。前半・後半で分けたという感じです。
初めからすべての問題を解こうと思っていたら、時間はかなりシビアだったかもしれません。私は上記戦略をとったので、文章理解等に相当な時間を費やして、数的処理は端から捨てた問題が数題ありました。
結果は、
・文章理解 10/10
・資料解釈 2/3
・知識(内情報が1題)3/6
・数的処理 8/11
計 23/30
でした。資料解釈で1題落としてしまったのが痛恨。
それぞれの感想としては、以下のような感じです。
・文章理解・資料解釈
→時間をかければ行けるという目論見は合っていたと思う。資料解釈では思ったより時間を使ってしまった。そのうえで1題落とすという失態をかましたので、同様の戦略を取るなら要注意。
・知識
→情報科目の1題を除いてかなり難しかったと思う(私はプログラミング経験があったからか、情報科目は簡単に感じた)。知識分野は時事が中心とのことだが『速攻の時事』とかで対策できるのかはその本を買っていないので不明。
・数的処理
→かなり簡単だったと思う。数的推理は本当に基本的なことさえ押さえていれば対応できたし、判断推理は基本的な表の使い方が分かっていればあとはその場の対応で解ける問題が多かったと思う。
とても簡単な問題とかなり入り組んだ問題が混在しているので、難しい問題を早く見極めて捨てる(or後回しにする)のが大事なのかもしれない。
ネット上でどなたかも書かれてましたが、1題に対して「20分かけて答えに辿り着いたけど間違っていた」「20分かけて考えたけど、答えは出なかった」というパターンが最悪です。だったら、「全くの勘で5分の1!」「5分考えて2択まで絞れた。あとは50:50の勝負!」の方が、時間の使い方と正答率の両面で賢い選択なんだと思います。
・午後:専門多肢選択
憲法、国際関係、政治学の25題は必答なので問題選択については戦略も何もありません。
それ以外の選択科目は、予定では行政学5題と行政法5題を全解答することだけが決まっていて、あとは前述の通り投げ出したミクロ・マクロと、まだ1周しかしていない民法くらいしか知識がありません。
しかし、実際に解き進めると行政法のなかでも分からない問題があったり、ミクロ・マクロ(経済学)、民法のなかで分かる問題があったりして、各分野をかいつまんで解答していく形になりました。
実際の問題用紙には、どの問題がどの分野の出題なのか書いていない(一応、分野ごとに順番に並んではいるっぽいけど)ので、国際事情と経済政策はそれをその分野の問題とは知らずに解いてました。
実際の解答した問題の分野と正答数は以下の通りです。
・憲法 3/5
・国際関係 9/10(3)
・政治学 9/10(3)
・行政学 4/5(1)
・国際事情 1/1(1)
・行政法 3/4
・民法 1/1
・経済学 1/2
・経済政策 2/2
計 33/40
(括弧の中の数字は、選択した問題における英文問題の数)
(国家公務員志望なのに憲法で2題落とした非国民は私です。最敬礼、土下座、土下寝。)
全体としては、英文の出題が多いのと(さすが政治・国際区分)、思ったよりは時間に余裕があるという印象を受けました。
英語に関しては、英字新聞を読んでいて良かったなと思います。英文の出題では、構文や文法を詳しく理解して精読する力が求められるのではなく、とりあえず内容が掴めることが大事なので、そういう英文の読み方が身に着いたと思います。
時間に関しては3時間30分(210分)で40題なので、単純計算で1題に5分強かけられるわけですけども、簡単な問題は1分もあれば正答できるので、後半はかなり時間があまりました。途中退出していく人もそこそこいました。
以下に、個別で書きたいことがある科目だけそれぞれ書きます。
・国際関係
正答数9問は、流石に勘が当たり過ぎています。ですが、同様のことが国際関係のスー過去にも書いてある通り、この科目は結構その”勘”が大事で、勉強した膨大な範囲の知識を用いて各選択肢の中に違和感を見つけ、そうした選択肢を排除する……といった戦略が有効だと思います。
出題範囲の全ての事実を覚え、全ての選択肢を知識でゴリ押して正誤判断していくパワープレイは(私には)無理なので、知ってる知識や選択肢の文からヒントを得て、「正しくなさそうな選択肢」を弾いたうえで、「正しそうな選択肢(間違いが見当たらない選択肢)」を選ぶ、という手段が最適だろうと思います。
・経済学(経済政策)
勉強中に「本番で解けない」と察し民法に魂を売ったにも関わらず、それを本番で買い戻したのには訳があります。
試験中には、一度解けそうな問題を全て解いた後にかなり時間が余りました。そのため、経済学系の計算問題を解くのに十分な時間が生まれたんです。
例えば、選択肢にある数字を総当たりでひとつひとつ方程式に代入して検算しました。そこで矛盾が生じなかった肢が正答と分かるわけです。
こうしたシラミ潰し的戦法を用いた問題と、あとは丁寧に計算したら答えが出た(複数の計算方法で計算してみて、どちらでも同一の答えに辿り着いた)問題があったため、経済学系の問題を結局は4題も選択しました。
経済政策は全く勉強してもいなかったのですが、中身はミクロ・マクロ経済学と同じ感じがしました。その点では、ミクロ・マクロ経済学を勉強しておけば、経済学3題と経済政策3題の双方に解答可能性が生まれるのでお得なのかもしれません。
・一次翌日の自己採点とその後
一次試験は、翌日に正答が公表されますので、自己採点を行いました。自己採点の結果上記の点数が出てきたのですが、これが思ったより高い。
例年(昨年度まで)は、基礎能力・専門多肢共に6~7割取れていればボーダーはクリア、という情報を入手していたので、基礎能力7割超、専門多肢8割超の私は一次を通過している可能性が高いということになります。
しかし、今年から基礎能力では問題数が削減され、しかもテスト後に他の受験生たちの「専門多肢簡単だったわ!最後の○○以外は解けた!」という声が聞こえていた(&ロクに対策してない私がこの点数だった)ので、今年は全体的に易化していてボーダーが跳ね上がっている可能性が十分にあると判断しました。
そんなこんなで、一次の合格発表がある4月1日までは引き続き終わっていなかった3周目および民法の勉強に取り組んでいました。併願していた国家一般職の一次が6月2日なので、手を休めるわけにはいかなかったわけです。
※後で知ったのですが、正答発表後にとある予備校がボーダー予想などを公表しているようです。参考にすると良いかもしれません。
・一次合格発表(4/1)
見てみると、案の定(?)通過していました。
通ってしまったからには、二次を受けざるを得ません。ただ、唯一にして最大の問題は、私は二次の対策は全くしていなかったということです。
次章では、四苦八苦してなんとか二次を通過してやろうという試みをお届けします。
のちのちの追記
最終合格発表後に公表された平均点を見ると、
・基礎能力 15.297点
・専門多肢 17.466点
で、一次のボーダーは186点でした。
色々計算して一次のボーダーを問題数換算したところ、
・基礎能力 16点
・専門多肢 21点
がボーダー(目安。どちらかが多少低くても、どちらかが高ければ通過できるので)でした。某予備校のボーダー予測配信がこの値をぴったり言い当てていて、さすがだなと関心しました。
どうやら、私の得ていた「基礎能力・多肢共に6~7割がボーダー」という話は、倍率の高い法律区分での話だったようです。
政治国際区分の倍率が今後どうなるか分からないので何とも言えませんが、法律区分のボーダーほど厳しいことにはならない傾向が続くのかな、という気はします。