第3話 「ものづくり」としてのクラフト《キーワード》 ・ライフスタイル・アズ・クラフト ・ライフサイエンス・アズ・クラフト ・ライフサイクル・アズ・クラフト 3つの視点から、ものづくりにおけるクラフトを考えたい。途中、ECALのラグジュアリークラフトなどに触れながら、ニュークラフティやモダンクラフトなどの言葉で説明しようとしていた何かを紐解きたい。 「デザイン」がつまるところ、経済合理性と生産効率性を踏まえながら、物事を"コントロールする術"(ARTS)に対して、「クラフ
この文章は僕が執筆を進めている本の草稿です。ここをベースに原稿を仕上げていこうと考えています。そのため、この文章はしょっちゅう改編され、書き足され、時には意味や内容も異なるものとして再構築される可能性があります。あしからず。 第2話 「クラフト」とは何か?第2話を書き進めるまえに クラフトとは何か?最初にそう考えだしたのは、第1話に書いたとおり2010年頃でした。僕自身が当時、プロデュースや企画で担当したブランドの多くが、伝統工芸というにはモダンであり、雑貨と言うにはこだ
この文章は僕が執筆を進めている本の草稿です。まだ書いている最中なので、たまに内容が追加されたり、削除されたりします。あしからず。 第1話 「クラフト」という言葉 はじめに 2000年から2010年にかけて「デザイン」という言葉が急拡大しはじめ、その膨張速度に強度が追いつかず空中分解するのではないかと思える頃がありました。デザイン家電、デザイナーズマンションなどクリエーターの存在を感じさせるものから、デザイン思考、デザイン経営などプロセスやシステムを指す場合もあり、その他
このコラムは、京都芸術大学京都伝統文化イノベーション研究センターのために書いたものですが掲載が終わっていたので、ここに再掲しました。 Q: そもそも伝統工芸とは何か<タンクトップ子> 伝統工芸って何ですか?<はるか> A 今回は、さらに伝統工芸の持つ多様性というか、いろんな伝統工芸があることを書きたいと思います。例えば「パンを使った料理」とひと言でいっても、サンドイッチも、ハンバーガーも、ホットドックも、フォカッチャもあるように、『伝統工芸』とひと言でいっても、いろんなも
このコラムは、京都芸術大学京都伝統文化イノベーション研究センターのために書いたものですが掲載が終わっていたので、ここに再掲しました。 Q: そもそも伝統工芸とは何?<タンクトップ子> 伝統工芸って何ですか?<はるか> 伝統工芸という単語はいつできたんですか?<岸くん> A: 「伝統工芸とは?」と聞かれても、上手くは説明しづらいですよね。「昔から続いているものづくり」というのが簡潔な説明なのでしょうが、それだけでは何か大切なものが抜け落ちている気がしてしまうし。あらためて「
このコラムは、京都芸術大学京都伝統文化イノベーション研究センターのために書いたものですが掲載が終わっていたので、ここに再掲しました。 Q:なぜ伝統工芸は守っていかなければならないのですか?(はるか) A: 伝統工芸は、需要も低迷してて、職人も減っている。もっと便利で買いやすいモノが溢れている。家に幾つかあってもいいけれど、もっと新しい商品を開発したほうがいいんじゃない?と思いますよね。もっともだと思います。 では、各時代で、なぜ伝統工芸を守り残そうとしたのか?を考えて
このコラムは、京都芸術大学京都伝統文化イノベーション研究センターのために書いたものですが掲載が終わっていたので、ここに再掲しました。 Q: 職人さんが減少している状況についてどう思いますか?(岸くん) 職人さんはなぜ減ってしまうのですか?(はるか) A: かつては、工芸を買って使ってくれる人、工芸を売ったり職人に仕事を頼んだりしてくれる人、そして工芸をつくる職人さんの3者がよいバランスで存在したので、職人さんは仕事に困らずに作り続けることができました。 しかし、生活スタ
なんとか3日間を終えた。メンバーでマスクを集合写真を撮る暇もなく、宮下さんがスナップ的に取ってくれた写真が、僕らの今回唯一の写真になった。失敗して薄くなった眉毛だったのが無念でしょうがないけれど、マスクの下はみんな笑顔だった。 今回は僕らがててての活動を立ち上げて10年目の節目。時代の変化、自分たち自身の課題の変化、コロナ禍と幾層にも思いや課題が重なり、葛藤しつづけながらの開催だった。 10年やったらひと区切り。そう言いながら踏ん張ってきたし、それなりの社会的意義のある場
お盆のはじまりの13日に秋田でのレクチャーシリーズの第2回目『ブランドとは?』を開催した。 ゲストは、中川政七商店会長の中川さんと台湾と日本を拠点に活動する漢方ブランド『DAYLLILY』の代表の小林百絵さん。300年続く企業の代表である中川政七さんと、3年目に差しかかろうとする小林百絵さん。この100倍の時間の差だけでなく、家業と創業、雇用している規模、いろんなところが対照的な二人に今回、登壇をお願いした。 ただ、先に断っておきたいのだけど、ただ対照的な二人の対比を見せ
今日は秋田でのレクチャーシリーズの第1回目だった。僕はプログラムコーディネーターで、ゲストは、うなぎの寝床の白水くんと、手工業デザイナーの大治さん。 白水くんは、丁寧に言葉でもって仕組みやモノを紐解き再構築を行える人で、大治さんはモノの強さを信じて、言葉ではなくモノを通じて提示しようとする人。その他にも、チームで動く白水くんに対して、個として向き合う大治さん。次々と新たな動きで地域の淀みを整えていく白水さんに対し、ある意味、愚直にプロダクトデザインという切り口から出入りする
各国のGDPが前年比あたり何パーセント落ちたという話しが連日のニュースで騒がれている。もう世も末だと。 FBにも、アフターコロナはこうなるんじゃないかといろんな人がいろんな予測を書いてるけれど、そのほとんどがワークスタイルやデジタルシフトなど手法の話か精神的な話ばかりで、そもそもの社会の指標がどう変化するかに具体的に言及できている人は本当に少ない。(勿論、僕もだけど..) 急ではないにしろ、いずれ訪れるだろう"次"とは一体どんなものなんか。その"次"の時代に僕らはどんな指
5月1日に発売された雑誌『AXIS』のデザインミュージアム特集で多くの識者に交ざり、僭越ながらコメントを寄せさせてもらっいるのですが、編集部からいただいた質問では答えることのできなかった自分なりの思いがあるので、ここに載せておきます。 まだ本誌が手元にないので、同様の言及がすでに為されていたり、より深い考察をされているのかも知れませんが、自分なりに。 ※かなり長文ですみません ーー 『AXIS』の販売告知ツイッターにデザイン関係者であれば誰もが賛同しそうな構想が、未だに
きっと、秋になれば以前のように街には人が溢れ、賑やかに集い合えるのはないかと想像したのですが中止の判断をしました。 各地の作り手のいまの惨状を知り、ここまでの労務を無塵とする判断はとても苦しいものでした。 今日もよく来ているバイヤーさんと電話で話してショップの惨状も聞きました。関係ある作り手からの現状の辛さについても連絡が続いています。実はもう10月に移動した会期も決定して募集要項も作り終えて、公開するべきサイトも準備を終えていました。ほんとはやるべきなのかも知れないと中止
僕のメモ帳にあった走り書きを、いつか書きたいと思っている文章のためにコピペ保存したものです。 −−−−−−− クリエーターにとって工芸とは、自らの出自を知り学ぶための有効な手掛かりだと思う。異なる文化と仕事をする時に慣習ではなく、無意識からくる美意識やバランス感覚にそれぞれの出自が出る。 −−−−−−− 工芸は、その土地での風土や文化や生活、さらには流通や政治まで多様な背景を元に成立・成熟していく事が多いため、造形感覚という個人に由来するものに思える部分に影響をもらたし