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ふたりだけのロデオ

2022年公開のカナダ映画「ふたりだけのロデオ」を観た

大型トレーラー運転手の主人公には離婚した妻との間に9歳の娘がいる
カナダで行われる長距離トラックの運転席部分(トレーラーヘッド)だけで行うレース大会に娘と一緒に出場したが、惜しくもレースには敗れる
会場で自分のトレーラーヘッドの中で娘と一晩を明かしたが、目を覚ますと離婚した妻がカンカンに怒りながら娘を連れ去って行った
翌年、主人公は妻に内緒で娘を連れだし、伝説のトレーラーヘッドレース「ロデオ」に向かう旅に出るのだが・・・


ロン毛でひげもじゃ、ガタイの良いブルース・ウィルスみたいなマキシム・ル・フラゲというカナダでは名の通った俳優が主人公を、リルー・ロワ=ラヌエットという女の子が娘を演じている
この娘役の女の子、怒ったり騒いだりがなかなか振り切った演技をしててビックリ
そうかと思えば時折見せる大人びた表情
たぶん、今後いい女優さんになっていくんではなかろうか
知らんけど

※こっからはネタバレなので嫌な人はそっと離れてね※



























まー、ジャンル的にはいわゆるロードムービーってやつなんだけど、ちょっと主人公が無茶というか無謀すぎるよ
元妻とも仲悪い上に、娘が通っている空手道場から無断で娘を連れだして、ママには許可取ってるとか嘘ついて助手席に乗っけて何日もかかるトレーラーヘッドの旅に出ちゃうんだもん
だんだん家が恋しくなった娘はママに電話したい、と言い出すんだけど主人公は携帯からSIMカードを抜いて捨てちゃってるからかけられない

途中で立ち寄ったシャワールームみたいなところで主人公より先に出た娘がレースの日付が違うってことに氣づいていなくなり、主人公は大慌てで探しまわる
親切なおばさんトラック運転手が保護してくれて再会するんだけど、まあ、娘が逃げ出したくなるのも無理ないよね
そのおばさんがコップに残ったシェイクの泡占いみたいので未来を占うんだけど、もうちょっと後の展開とつながってくれたら面白かったのにな

ちょっとだけ胸熱になったのは、ラストシーンで自分の乗ってるトレーラーヘッドを検問で探してる情報を得た主人公が娘の誘拐疑惑がかけられてんじゃないかと怖くなって、来た道を帰り始めたら娘が「引き返しちゃダメ!最強の男になるんでしょ?」と言ってその通りにするんだけど、その後、言葉は交わさないんだけど二人の心が通じ合った感じがしたところかな

まーでも、この親娘、親は元妻に許可取らず勝手に娘を連れ去るし、娘は途中でケンカ売ってきた男が乗ってたスポーツカーに傷をつけたりするし、二人ともどっかイカれちゃってて多分普通の感覚だと理解できんだろうね


ストーリーとはあんまり関係ないところだけど、冒頭のレースが終わった会場でトレーラーヘッドの集団が夜になってライトアップされてクラクションを一斉に鳴らすシーンには圧倒されたのよ
はー、こんな世界があるんだ~、ってちょっと感動した
それと、アメリカ大陸ならではのどこまでも続く長い道と広大な景色ね
美しいとは思わなかったけど、世の中にはいろんな景色があるもんだよね



嘘ついて無理矢理やったことはいつか必ず自分の身を滅ぼすが、経験しなきゃわからないこともある

そんなことを感じた映画ですた


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