「愛と和平」記念碑祈願式

 2007年に牡丹社事件で加害者・台湾屏東県牡丹郷原住民パイワン族の末裔から被害者・宮古側に和解を象徴する「愛と和平」記念碑が寄贈された。記念碑は長い間下地中学校構内に設置されていたが、昨年3月にカママ嶺公園に移設され、今年の3月には内外の訪問者のために日本語、中国語、英語の案内板も建てられた。
 1874年5月、日本はその3年前の71年に台湾南東部海岸八瑶湾に漂着した宮古島出身者を中心とする琉球人54人が原住民パイワン族に殺害されたことを口実に、台湾南部の恒春半島に出兵し、牡丹郷を半年にわたって占領した。牡丹社が舞台となったため、台湾ではこの一連の出来事を牡丹社事件と呼んでいる。
 今年は牡丹社事件150年(日本の台湾出兵)節目の年である。同じく「愛と和平」記念碑がある牡丹郷では、5月22日に当時日本軍と激戦となった石門古戦場跡で150年記念式典を開催した。宮古島の犠牲者の玄孫である上里樹市議や台湾在住沖縄関係者らも出席した。
 式典で、潘壮志郷長は宮古と双方でこの悲劇を乗り越えて、お互いに友好関係を継続して築いていけるように努めたいと述べた。この度、11月5~7日訪問団を引率して宮古島市を訪れる。双方で交流協定覚書を交わすほか、7日午前中にはカママ嶺公園で「愛と和平」記念碑の祈願式を執り行い、双方の平和交流が末永く続くように祈りするという。式は一般公開となっているので興味ある方はカママ嶺公園へどうぞ。

 (辺野喜 陳 宝来)


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