牡丹社事件伝える
台湾の屏東県(へいとうけん)牡丹(ぼたん)郷(きょう)役所は、2023年5月22日に石門古戦場で「牡丹社事件149周年記念活動」を実施した。来年の150年の節目に向けて、宮古島に帰島中に台湾南部に漂流した琉球人が殺害された事件をきっかけに台湾出兵した同事件の激戦地となった石門古戦場で、事件をテーマにした文化施設「石門古戦場故事館」と観光案内所の起工式を執り行った。
周春米(しゅうしゅんまい)屏東県知事は起工式の挨拶で次のように述べた。牡丹郷は台湾最南端の山岳原住民の町であり、「恒春(こうしゅん)半島の裏庭」として知られている。一帯は原住民はもとより、平埔(へいほ)族、客家(はっか)族、漢民族などが一緒に暮らして、自然・歴史・文化・産業などが豊富で、多くの物語が残されている。
故事館が完成することで牡丹社事件を知る出発点になるだけでなく、より多くの人々にディープな屏東県の文化を認識・理解してもらえると期待を寄せた。150周年の節目の来年には、牡丹郷から宮古島へ赴き、島民と「愛と平和」の交流を行う考えだ。
故事館は3階建てで、展示スペースや舞台なども設け、年末に完成する予定だ。
(辺野喜 陳 宝来 )