老舗の心遣い
国際通りから徒歩8分ほどのところにある「壺屋やちむん通り」を歩いていて、あまりにも暑かったのでカフェで休憩することに。
『ぶくぶく茶』という沖縄の伝統茶が飲める人気のカフェ&ギャラリーの前を通りかかり、人が並んでいないのを確認して入店。
平日のオープンしたての時間だったから、まだお客さんも少なくて、静かにゆったりとした時間が過ごせてよかった。
案内してくれた店員さんは、母親くらいの年齢だろうか…とても品のある方で、お話を聞いているのがとても心地よく。
注文した『ぶくぶく茶』が運ばれてきたときに、飲み方などを詳しくを説明をしてくれたのだけれど。
本来はここまで泡の高さはなく、器を傾けずに口元までもってきて泡とお茶を一緒にいただいて楽しむものなのだとか。
「お作法などはありますけれど、飲みにくいようでしたらスプーンで泡をすくって、ある程度飲みやすくなってからお茶と一緒に楽しんでみてください」とのこと。
「最近はこうやって泡を高く盛ることで、お客さんが喜んでくれるからそうしているんですよ」とおっしゃっていた。
老舗のお店で出している沖縄の伝統茶。
自分たちのスタイルにこだわるのもひとつ。そして、お客さんの喜ぶ顔を第一に考えてスタイルを変えていくこともひとつ。
時代とともに在り続けるメーカーさんって、実はお客さんの見えないところで、定番のベストセラー商品であっても味や食感などを時代に合わせて変え続けていたりする。
お客さんの嗜好や喜ぶことを敏感にキャッチして、そこに自分たちを合わせていっている。
それは、ベースに愛があるから伝わるのだよな。と、ぶくぶく茶の高々と盛られた泡を見て思った。
自分たちの儲けのためだけにウケを狙うのか、お客さんの笑顔を見たくて工夫していくのか、それはベースに愛があるかどうかでまったく違ってくる気がする。
実際のところどうなのかはわからない。それは提供している側が心の中で感じているものだから。そこにしか真実はない。
だけど、受け取るこちら側が、そこに愛を感じたなら。それもひとつの真実なのだと思う。
たぶんね、たぶんだけど。
沖縄ではいたるところで、この愛を感じられるのだよね。そんな気がしています。
沖縄旅ノート
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📍うちなー茶屋&ギャラリーぶくぶく
沖縄県那覇市壺屋1丁目22?35
10:00~19:00
https://bukubuku.jp/