スタチンと糖尿病

今回の話題、自分の中では今さらという感じなのですが、以前ブログに書いていたと思っていたら書いていなかったので書きます。

高血圧、糖尿病、脂質異常症(昔の高脂血症)

といったら、「3大お得意様疾病」となっています。
「お得意様」というのは、たいていこれらを診断されたら、病院やクリニックに死ぬまで通院させられるという意味です。
定期的に通院させられ、治療しないと大変なことになると脅され、薬を処方され、飲み忘れればまた脅され、定期的になんだかよくわからない検査もさせられ…。
受診ついでに、ご丁寧に各種ワクチンの営業もかけられ…。
(インフルワクチン、肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチン、コロナワクチンなどなど。これからはRSウイルスワクチンもですね)

上記「3大お得意様疾病」は生活習慣病ともいわれ、なぜだか患者のせいにしている風潮があります。
しかし血圧もコレステロールもどんどん勝手に厳しく基準値が設定されていますので、決して患者さんのせいだけではありません。

というか、「お前(=医者)が病気にしてるんだろ!」というものがあります。

それがブログのタイトルにある、「スタチンと糖尿病」の関係です。

コレステロールが高いと、たいていは「スタチン系」というコレステロール低下薬を処方されます。

しかし最初に結論を書いちゃいますけど、
このスタチン系のコレステロール薬が血糖値を悪化させることがある
のです。

つまり、「脂質異常症の治療によって糖尿病が作られているケース」もあるのです。

まずはさらっとでいいので、下記のサイトなど見てみてください。

副作用モニター情報〈486〉 脂質異常症薬スタチン製剤による糖尿病リスクの増加

糖尿病者にスタチンは禁忌―緊急提言

上記のサイトでは数例の報告みたいな書き方ですが、実際はかなりあると思われます。

なぜならこんなちっぽけな自分のクリニックでも、結構な頻度で経験しているからです。

自分は、特殊な例を除いてコレステロールの薬は必要ないと考えている人間ですので、特にスタチン系を飲んでいたら中止します。
すると、糖尿病とも診断されていた方の血糖値が改善するのです。

前医で、スタチン飲んでインシュリンやってという方もいました。
当然その方はスタチンを中止したら血糖値が良くなったので、インシュリンも必要なくなりました

インシュリン注射なんて導入したら、管理料などの名目でクリニックはかなり儲かります。
つまりこの患者さんはいいカモになっていたということです。

その前医が患者さんをカモにするため、と思ってやっていたとは思えませんが、それはそれで問題です。
医者である自分が糖尿病という病気を作っているのに、それに気づいていない。
最悪ですね。
無知。
不勉強。
観察能力なし。

このケースなんて「医原病」のいい例です。

ちなみにインシュリン注射は結構中止することができます。
これまで内服に全員切り替えていますけど、問題なし。
というかみんな逆に元気になっています
頭もしっかりしてきたというケースも多々経験しています。

なぜか糖尿病治療というのは無駄にインシュリンが導入されるらしい。

インシュリンなんて、「血糖を下げる(=細胞に取り込む)」という意味合いでは良いホルモンですが、それ以外は体にとっては良くない作用を及ぼします。
組織にダメージを与える作用しかないのです。

自分は「糖尿病の合併症」というものは、「糖尿病治療の合併症」も多々含まれていると思っています。

無駄にインシュリン注射なんて導入しても、患者さんに良いことなんてありません。
もちろん1型糖尿病などで必要なケースもありますが、ここで書いているのは一般的な2型糖尿病のことです。

糖尿病治療の話に脱線してしまったので、スタチン系の話に戻します。

コレステロールを過剰に下げれば、ホルモンは作れなくなるわ、細胞膜も脆弱なるわでいいことなんてありません。
循環器系の先生なんてコレステロールが高いとすんごく脅してきますが、それは「心臓・血管しか」みていないのです。
体全体で考えないといけないのに、たぶんホルモンのことであるとか、細胞機能のことなんて考えていないのでしょう。
ちなみにコレステロールが高いからって、それで脳心血管系に重大なことを及ぼしたケース、自分では記憶にありませんがね。

「コレステロールが脳心血管系に悪さする」という常識を疑ったほうが良いと思います。

スタチン系の害としてよく横紋筋融解症だとか言われますけど、重要なのは
「CoQ10(コエンザイムQ10)が枯渇すること」
です。

CoQ10はミトコンドリアのエネルギー源です。
ミトコンドリアといえば、細胞にとって重要な小器官ですね。
細胞のエンジンみたいなものです。

スタチン系薬剤によってCoQ10が枯渇するのは常識です。
少なくとも医者にとっては。

スタチン処方するなら、患者さんにCoQ10を補充するよう勧めなければなりません。

ちなみに処方薬でCoQ10もありますが、用量が少ないですし気休め程度です。
でも何もしないよりはましです。

人の体はすごいシステムですから、スタチン系を飲んだからといってすぐにエネルギー切れとなり廃人のように動けなくなるということではありません。
しかし何年、何十年レベルでみたとき、スタチン系薬剤によるCoQ10枯渇が何らかの病気につながる可能性は十分にあると思います。

もちろん人の体質はそれぞれですから、スタチン系飲んでいたって自分の体の中でうまく対処できて、大きな問題につながらないこともあるでしょう。でもそれでも体には余計なストレスがかかっています。
スタチン系を飲んでいなければする必要のない余計な「対処」をしなければならないのですから。

「CoQ10」が十分にできなくなるということはとても重大なことです。

CoQ10補充しないでスタチン系だけを飲むなんて、まさに毒薬を飲んでいるようなものです。
体全体でみたらストレスでしかない。

いろんな意味でスタチン系は「悪」であることが多いです。
ごくまれですがケースや使いようによっては「良」であることもあるので…。
ごくごくまれですけどね。

最近血糖値の指摘を受けた方。
あるいは糖尿病と診断されている方。

「スタチン系を飲んでいないか」をまずチェックしてください。
たいてい糖尿病の場合、脂質異常症も併せて診断されていることが多いので、スタチン系と糖尿病薬とセットで飲んでいる方が多いですから。

しかしいまだに前医で処方されていたコレステロール薬を中止したら血糖値が改善したケースを経験するのですが、本当いやんなっちゃいますよ。医者というものに。
医者が病気作っているのに平然としているのですから目も当てられない。
というか医者自身も気づいていない。
スタチンと血糖の話、今更な話ですし古典的常識と思っているのですが、いまだに気づいていない医者がいることにがっかりです。

医者に任せっきりはダメです。
常に疑うことが必要です。
本当にこの薬が必要なのかとか。

病院にかかるなら医者に任せっきりにするのではなく、自分も勉強しなければなりません
専門科もどきの言うことなんて当てになりません。

これまで何度も言っているように「自分の身は自分で守る」です。

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おおきな木ホームクリニック
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