No.1035 H・E・L・P
国際空港の搭乗ロビーに2018年12月、真っ赤なピアノが置かれました。訪れた人々が、自由に音を紡いでは通り過ぎて行きます。
昨日のNHKBS1で15:00からの再放送「空港ピアノ」(「初回放送日: 2022年1月3日」)は、オーストラリア第3の都市・ブリスベンの国際空港に置かれた赤いピアノが主役でした。
サッカーで海外遠征に行く名門学校の女子高校生。スペイン・ブラジルなど多国籍なメンバーのバンド。すい臓ガンと闘うジャズピアニスト。10年ぶりにピアノに触れた元建設現場監督。一人娘と旅するシングルマザー。旅行帰りのプロ級のピアノの腕前のオランダ人海洋学者のほか、いろんな人々が、心のメロディーを奏で、「ピアノ」への思いの一言を残して目的地に向かっていきました。
そんな中、母国がどこだったか聞き洩らしましたが、17歳で養子に貰われてフランスに渡ったという褐色の肌をした男性が、演奏の後にカメラに向かっていった言葉が、とても印象に残りました。
「私は、もらわれて(フランスに)行ったけど、充実した教育を受け、とてもHappyでPeaceでLoveな人生をEnjoyしているよ。」
と、誇らしげに語りました。
ふと、4つの言葉を並べ替えたら「Happy」、「Enjoy」、「Love」、「Peace」で「HELP」になるなと思いました。
貧しい国に生まれた彼を「HELP」してくれた養父養母がおり、そんな人生を計らった神の「HELP」もあったのかもしれません。いい事ばかりではなかったはずなのに、自分の人生を「幸福」で「楽しく」て「愛」があり、「平和」に過ごせていることへの感謝を忘れない人だったことが、「HELP」を得られる人生となったのかなと思いました。
きっと、ピアノも、そんな彼を「HELP」していたのでしょう。
※画像は、クリエイター・はややん(早川諒)さんの、タイトル「ぴあの」の1葉をかたじけなくしました。赤いピアノの擬人化は、今日のコラムにピッタリでした。お礼申します。