「うた草紙」とは「陸奥新報」(陸奥新報社、弘前市)に掲載された中村キネさんと兼平一子さんが執筆編集した、青森県に関連して詠まれている詩歌を幅広く拾い出して分かり易く解説したものだそうです。
「朝日新聞」に連載された大岡信氏の『折々のうた』に学び、その青森版を「陸奥新報」に連載したもののようです。それを『青森県 うた草紙』(中村キネ・兼平一子編著、北の街社)として本に纏めたのは、30年前の1994年(平成6年)1月25日のことでした。
畏友から頂いたその本の中には、青森の厳しくも豊かな生活や自然が歌われていました。その作品と編者の解説のほんの一部を拾い読みさせていただきました。
1月から12月までにかかわる歌人たちの122作品が紹介されています。その『青森県 うた草紙』の序文で、歌人・大滝貞一氏は、「『うた草紙』は、そうした風土と人間の不離一体の絆を証した、尊い産土(うぶすな)讃歌である。」と述べておられました。青森の魅力が韻文のリズムと共に読者の心に染みわたります。灯火親しむ季節、お手に取ってみていただけたらとお薦めする次第です。
※画像は、クリエイター・歩きまわる写真館・ひらいさんの、タイトル「好きなカメラで撮った好きな写真(モノクロ)」から勇壮で躍動感ある「ねぶた」の1葉をかたじけなくしました。お礼を申し上げます。