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No.1511 怖(お)じかったあ!

勉強部屋兼、作業部屋兼、寝室兼、孫達との遊び部屋兼、数年前までは愛犬チョコとの同居部屋だった私の6畳部屋には、冷暖房の設備がありません。このところの寒冷前線のせいで、夜から朝にかけての部屋の温度は2℃~8℃前後です。敷布団は毛布を入れて2枚、かけ布団は毛布を含めて3枚、着物も厚着で毎日を過ごしています。

風呂には夕食後入るので、寝る時間になる頃には、両手が冷たくなっています。眠くなり、急いで布団に潜り込んでも、まだ両手が冷えています。手をこする以外に何か方法は?
「そうだ、いいこと考えた!」
一休さんのように頭の中で「チーン!」とリンの音が鳴りました。

冷たくなった両手をお尻の下に引いて寝るのです。
「脂肪は冷えやすく温まりにくいため、臀部は体の他の部位に比べて冷たくなり易い」
と言われますが、そのお尻でさえも両手の冷たさを感じ、そのうちに両手をほんのりとあたたかくしてくれます。そして、そのままの状態で眠りに落ちていくのです。

一昨夜、本当にこんな夢を見ました。
子供の頃の友だち二人が前を滑っていました。藪の中の急坂に出来た小路でした。二人は、プラスチックのソリで下るのに、私はソリの無い状態で、両手を尻に敷いたまま滑っているのです。そのうちに急激な斜度となり、両足をいくら踏ん張ってもブレーキが利きません。両手を抜いて枝につかまらねば、転げ落ちてしまう!
「きゃー!えらいこっちゃー!!」

慌てて両手をお尻の下から抜こうとするのですが、ぴったりとお尻にくっついて抜けません。何度も力を入れ、お尻を持ち上げたりくねらせたりするのですが、両手は魔法が掛かったみたいにピタッと吸い付いたままです。
「こヤツ、金縛りか?いかん!危なーい!」

もうやけくそだ!と、必死の思いで力任せに「えいやっ!」と両手をお尻から引きはがしました。思い切り両肩がグーッと上がり、それがブレーキとなって止まりました。あらま?不思議な夢でした。その瞬間に目が覚めました。両手は、無事に解放されました。

70過ぎた爺さんが、両手をお尻の下に当てて「フンフン!」いいながら身悶えしているシーンをご想像ください。結構笑えます。恥ずかしいったら、ありゃしない!でも、夢で良かったあ!真夜中に目覚めたのは、いわゆる頻尿のお陰でした。

それにしても、今から841年も前のことだそうですが、1184年に鵯越えをした源氏の武士達はさぞ怖い思いをしたことだろうと妄想してしまいました。
昨夜から、お尻の下に両手をあてて寝ていません。

「七十路の夢は童心宝船」
 笹本翠月
 実に怖い宝船でした。


※画像は、クリエイター・mu|くまのマフィンさんの、タイトル「キャラメとブラウニの冬休み⛄️」」の1葉をかたじけなくしました。「晴れた冬の朝、まっしろな丘を一緒に駆け抜けるのがスキ。」の説明もありました。
お礼を申し上げます。