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No.1224 Oneゲス運動!?

その奇抜な発想に酔ってしまいました。
 
先日のサンドイッチマンの「病院ラジオ」(4月29日・月曜日)は、福岡のがん専門病院から生放送されました。どの患者さんのお話も胸にグッときて身動きできませんでしたが、中でも心に突き刺さったのは、大腸がんにかかった47歳の女性のお話でした。
 
11年前に夫をクモ膜下出血で突然亡くしてしまったこの女性は、
「子供2人を抱え、一生懸命頑張って生きていたら、何があっても神様は助けてくれるだろうから、真面目に生きよう。」
と思って励んでいたそうです。
 
ところが、
「夫が死んだし、さすがに(神様も)親を2人とも連れて行かんやろ。子供も小さいし、守ってもらえるやろう。」
と思っていたのに、夫が亡くなってちょうど10年目に、今度は、自分が癌にかかってしまいました。
 
「ああ、神さまっていないのかなあ?」
と思っていた時に、相談に乗ってくれたソーシャルワーカーさんの言葉が、心の支えとなりました。
「『神さまってね、良い人が好きで、いい人ばかりを自分の傍に置くんですよ。だから、ほんのりゲスいことをして神様に気に入られないようにしましょう。』っていうんですよ。だから、1日1回『ワンゲス運動』しています。例えば、『チッ!』と小さく舌打ちしたりします。気づいたら、2・3回やってたりしますね。アハハ!」
 
もう、涙が出るくらい(呆れるくらい?)感動しました。神様に嫌われようとしてではないのでしょう。小さい子供を抱える母親として、すぐに天国に呼ぶのだけは勘弁してほしいという切実な願い。それを、「ほんのりワン下種(下衆)運動」でかわそうとする発想にシビレます。何よりも、明るく言ってのけるこの女性の精神性に感服しました。
 
相談できる人がいる、「助けて!」と話せる人や頼れる人がいる、遠慮せずに声を上げることが大切なのだと彼女は言います。そして、彼女は気付いたのだそうです。
「こんなにも、いろんな人が自分を守ってくれていたんだ。」

生放送の病院内では、「ウン、ウン」と頷く人々の姿がありました。


※画像は、クリエイター・わたなべ - 渡辺 健一郎 // VOICE PHOTOGRAPH OFFICEさんの、「点滴」の1葉をかたじけなくしました。その管の先で見上げる、いろんな人の顔が思い浮かびます。お礼申し上げます。