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No.1468 鶴の一声
「なんでん、人並みにしちょきよ!」
母は、よくそう言いました。
しかし、それは、
「何でも普通にしていれば、何にもなくて済むからね」
と言いたかったのではないと思います。
「人より先んじて無理したり、遅れて迷惑を掛けたりせずに生きなさい」
という処世訓のようなものだったのだったと思っています。
そうはいっても、宮仕えのつらさ、好むと好まざるにかかわらず無理しなければならない局面は何度も訪れましたし、うっかりミスして周りに迷惑をかけたことも一再ならずありました。
そんな私ですが、父亡きあとの母の一言は「鶴の一声」でありまして、「何でも人並み!」を金科玉条のようにして生きてきたように思います。
すると、どうでしょう?
高血圧でしょう!男の病気・前立腺肥大症でしょ!耳鳴りの症状でしょ!飛蚊症でしょ!左ひざの痛みでしょ!右臀部から太腿裏にかけての坐骨神経痛のような痛みでしょ!本人が思っている以上の健忘症でしょ!頻尿のトラブルでしょ!etcでしょ!
テレビのCMで多くの老人たちが抱えている一般的な「人並み」の兆候が、「これでもか!」と出まくるようになりました。まるで、人生の冬のセールのようです。老いて人並みとは、こういうことなのでしょう。
今までは「対外的に人並み」を意識しながら何とかやって来ましたが、今度は「対内的に人並み」のさまざまな心配事に付き合いながら生きて行くことを迫られているのです。お母さーん、私の70代も、やえーこっちゃねーで!
ところが、私より先輩のnote mateから、
「まだまだ、そんなもんじゃありませんよ!」
と心優しき(?)アドバイスをいただきました。怖いわー!それでも来年の自分に根拠のない期待もあります。どんな自分に邂逅えるか、秘かな楽しみにしています。
来年は、72歳の「年男」です。いわゆる「厄年」ではありませんが、「やくどし」を迎える方々には、「飛躍の『躍年』」であり、「役立つの『役年』」であり、「ご利益の『益年』」であり、「世話焼きの『焼く年』でありますようにと祈っています。私は『薬年』?トホホ…。
「親父ゃ卯年で 御袋ぁ巳年 これがほんとの うみの親」
なんていうシャレた都々逸(どどいつ)がありますが、私の場合、
「親父ゃ酉年 御袋ぁ辰よ これがほんとの 『飛び立つ』よ」
などと、今年最後の「ダジャレ爺い」の戯言で締めさせて頂きます。
今年も、お付き合い下さったみなさま、ありがとうございました!
良い年をお迎えください!
「勝ち栗も餅もそろふてあすの春」
正岡子規(1867年~1902年)
※手ブレ画像となりましたが、餅つき用に私が練った小豆餡です。あんがい(?)、上手く出来ました。自画自賛?自画爺さん?