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No.1407 信じる力
日本時間の10月9日(水)、大谷翔平選手と山本由伸選手が所属するドジャースとダルビッシュ有選手と松井裕樹選手が所属のパドレスによるポストシーズンの第3戦がペトコ・パーク(カリフォルニア州サンディエゴ)で行われました。ドジャースはパドレスに5-6で敗れて1勝2敗となり、3勝先取でワールドシリーズ進出に王手をかけられました。
この第3戦(1勝2敗)の後、大谷選手の言葉に称賛の声が上がりました。
●「2連勝すればいいゲームと思っているので、『後がない』とかの感覚自体が今の僕にはない。2連勝すればOKっていうそういうゲームだと思います」(YAHOO!JAPANニュース)
●「流れをもって来られれば、必ず2連勝できる」(日刊スポーツ)
●「連勝すればいいゲームだと思っている。後がないとかっていう感覚自体がいまの僕には特にない。(自分の)状態自体はいいとは思います」(朝日新聞DIGITAL)
●「単純に2連勝すればいいゲームだと思っている」(NHK)
●「もうあとシンプルに2勝するということだけ考えて、今日終わったことは終わったことで、明日切り替えて頑張りたい」(TBS NEWS DIG)
と各社・各紙がそれぞれの文脈の中で紹介していました。
背水の陣ではなく「2連勝すればいい」という積極的な姿勢が仲間を鼓舞したように思われました。信じて励むことの「力」を感じました。その大谷選手の言葉通りドジャースは第4戦・第5戦を制し、3年連続でナ・リーグ西地区優勝を果たし、ワールドシリーズ出場に名乗りを上げました。
相手チームは、年間最優秀選手(MVP)に選ばれたアーロン・ジャッジを擁するヤンキースです。ところが、いざシリーズが始まってみると、ドジャースに7戦のうちの3連敗を喫し、後がなくなってしまいました。ヤンキースファンにインタビューしたところ、
「後がないので気を引き締めて頑張って!」
「とにかく、ジャッジが打ってくれ!」
という悲壮感を漂わせた意見が多く聞かれました。
ところが、妻と娘を両肩に抱き、ひげを生やして眼鏡をかけた陽気なお父さんが、
「ドジャースが3連勝したんだ。ヤンキースも3連勝できるさ!」
と、さも当たり前のように笑って手を振って行きました。その信じる「力」に「ほ」です。思わず目尻に皺を寄せてしまいました。
昨日の第4戦では、ドジャースの1塁手で3番打者のフリーマン選手が、初回にいきなりライナーでの2ランホームランを放ち、6試合連続本塁打というワールドシリーズ新記録を樹立して幸先良いスタートを切りました。
その1回裏、ヤンキースの先頭打者・トーレスの右翼ファウルゾーンへの飛球を追ったベッツが、フェンス際でジャンプしてキャッチしました。ところが、その左手をスタンドのヤンキースファンがつかみ、グラブの中からボールを奪い取るという危険で悪質極まる妨害を働きました。審判はアウトを宣告しましたが、呆れたファンの暴挙は、ヤンキースの選手たちの顔に泥を塗る行為のように思われ、観ていて実に不快でした。
「これは、ドジャース優勝の兆しではないか?」
と思っていました。しかし、その後の展開は、ヤンキース打線が猛爆発し、試合は4対11でドジャースの大敗となりました。
試合を観終わった後、あのお父さんの、
「ドジャースが3連勝したんだ。ヤンキースも3連勝できるさ!」
の言葉を思い出しました。本当にそんな展開となり、第7戦で決着することになれば、選手にもファンにも興行主にも「サイコー」なワールドシリーズとなることでしょうね。
今日もTVの前でトントントン!「釘付け」になりそうです。