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No.1418 大自慢機?

「CO2を食べる(吸収する)自動販売機」(アサヒ飲料)の実証実験が2023年6月から始められているそうです。「都会の中に森を作る」というユニークなコンセプトのこの企画に大いに共感します。自販機が森林のような存在になるだけでなく、吸収したCO2は、肥料やコンクリートの原料となると言います。まさに「一石二鳥」の効果があります。
 
その仕組みは、意外なほど単純です。商品取り出し口の裏側にCO2を吸収する粉末状の特殊材(吸収材)が設置されており、これが大気中のCO2を吸収します。1台当たりのCO2年間吸収量は、稼働電力由来のCO2排出量の最大20%を見込んでいるというから驚きです。

 国内には約200万台の(飲料)自販機があり、そのうち当社が所持しているのが約26万台です。自販機は飲料を販売するだけでなく、災害時に飲み物を無償提供したり、街灯の代わりに道を照らしたり、社会インフラの一部でもあると考えています。一方で、電力消費量は課題です。電力が逼迫するような状況下では自販機へのネガティブな意見があり、CO2を吸収する自販機の開発にいたりました。

アサヒ飲料株式会社 未来創造本部 CSV戦略部 チーフプロデューサー 菅沼 剛氏

また、三菱電機ITソリューションズ株式会社のネットのページには、次のようにありました。

 日常生活で当たり前のように見かける自動販売機。設置台数を見ると、約650万台のアメリカに次いで約494万台と世界第2位、人口比率では世界一とみられています。
 ここまで自動販売機が普及してきたのには、日本ならではの理由があります。まず治安が良いため、公園や道路など屋外に設置されていても窃盗被害が少ない点(海外では窃盗予防のため、主に屋内施設に設置)。また都市部では人口密度が高く、採算が見込める設置場所が多いこと。そして飲料メーカーが無償で自動販売機の貸し出しを行う仕組みを採用したため、小売店や個人による自動販売機の設置が一気に増加したことも理由のひとつに挙げられます。
 ただし、国内での自動販売機の設置台数はすでに飽和状態と言われています。実際、2000年の約560万台をピークに年々漸減傾向にあります。その中で自動販売機の市場拡大のため、そして存在価値を高めるために日本独自の進化を遂げています。

三菱電機ITソリューションズ株式会社

CO2を食べる自販機(アサヒ飲料)には「1台で杉の木20本分を吸収する」効果があるそうですから、業種形態の異なる様々な自販機約500万台全てがCO2を吸収する機能を備えたら、1000万本の木を植樹することになり、積極的なCO2削減方法となります。自動販売機を設置する他社も、是非、そのやり方を採用してほしいと思いますし、国策の一つとして取り組んでほしいと思います。
 
先日、車の中で聞いたお話に、「自慢機」なるものがありました。なんでも群馬県庁32階の官民共創スペース「NETSUGEN(ネツゲン)」に設置されている、地域の自慢の商品を販売する「自販機」が「自慢機」なのだそうです。なるほどー!こんな気の利いたダジャレが大好きです。他社も自慢する商品を満載した「自販機」にCO2削減吸収剤を設置して文字通りの自慢の上に自慢を重ねた「大自慢機」にしてくださることを切に願っています。


※画像は、クリエイター・肉森さんの、「みんなのフォトギャラリー」より自動販売機の1枚をかたじけなくしました。お礼を申しあげます。