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No.1449 自己矛盾?
日本漢字能力検定協会(前身)が創立されたのは、1975年(昭和50年)4月だそうです。その年の11月に「第1回漢字能力検定」が実施されたと言います。それまで最高位5段の「漢字能力検定試験」でしたが、1992年(平成4年)から文部科学省認定「日本漢字能力検定」となり、1級が最高位となりました。
私は、子どもたちに全国レベルの検定試験に合格し、そのライセンスを取得する喜びを分かち合いたいと考え、国語科の同僚に協力を依頼しました。そして、1986年(昭和61年)の夏休みに京都の漢字検定協会を訪問し、その内容をつぶさに知り、申し込みをしました。
それ以来、学校と「日本漢字能力検定」とのお付き合いが続いています。
翌1987年だったか、漢字能力検定協会発行の「漢字新聞特別号」に「小学校の場合」「中学校の場合」「高等学校の場合」の小見出しで、各地の先生方から漢字検定の取り組みの報告が紹介されました。たまたま、私の投稿も載りました。
「 ああ勘字検定!
『普通科の生徒たちに検定合格の喜びを!』
という眼目で、昭和61年11月より実施している。
親子で検定に挑戦したり、同僚と受検したり、単に生徒たちだけの漢字検定にとどまらない。私もカミさんとチャレンジ!共に初段合格の喜びを味わった。
活字離れの世代だと評されるが、初段合格を初めて成した女生徒など、漢和辞典を読んで勉強もしたという。
とはいえ、漢字の読み書きの指導に重きを置き、筆順や画数や部首がなおざりにされており、生徒たちの苦手意識が、そのまま点数に表れる。反省させられることも少なくない。
『和気愛々』など洒落やイメージを基調とした『感字』が流行る昨今、漢字テストが『勘字テスト』の様相を帯びている。漢字検定はその意味で大切な砦だと考えている。良識の砦である。」
「若いのう!おぬし。」
と声を掛けてやりたいような34歳の私の拙文。今読み返すと冷汗が出ます。それでも、漢字検定受検は、38年経った今も続いているのですから、あの時、蛮勇をふるって京都まで足を運んだ甲斐があったというものです。初めて「にしんそば」を食べました。美味し!
今日、学校でも家庭でも職場でも、情報機器に溢れた生活の中で、筆で書くことがめっぽう少なくなりました。漢字変換は出来ても、漢字を書けなくなってはいないでしょうか?それでも何とかなる時代、それが当たり前になりつつある時代なのでしょうか?そんなことを、パソコンを睨めつけながら書いている私は、自家撞着しているのでしょうか?
一昨日、旧先輩同僚からメールがありました。
「旧荷揚町小学校跡地の書展を開催しているので観に来なさい。」
大分県の重鎮と言われる書家三人の書道展だとか。運よく声をかけていただきました。15日の再会を楽しみにしています。
※画像は、クリエイター・京都ノートさんの、タイトル「そうだ 清水寺へ、行ってみよう」から「2023年の今年の漢字」の1葉をかたじけなくしました。お礼を申し上げます。さて、今年の漢字一字は?