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No.1415 二重の味わい

11月6日の朝、富士山では山頂付近にうっすらと雪が積もっている様子が確認されました。

観測が始まった1894年(明治27年)だそうですが、富士山の初冠雪は、それ以降、最も遅かったのは1955年(昭和30年)と2016年(平成28年)の10月26日だそうです。今年は、さらに遅れること11日、甲府市の気象台で確認できれば、この130年で最も遅いというニュースでした。
 
富士山の冠雪が遅れたのは、平年より気温の高い日が続いたことが要因とみられています。具体的には、10月の富士山頂の平均気温は1.6度だったそうで、平年より3.6度も高く、10月としては観測開始以降最高だったといいます。 麓の山梨県富士吉田市は、目視で確認できたとして「初雪化粧」を宣言しました。

去年の夏も今年に負けず劣らず猛暑が続いたと記憶していますが、甲府地方気象台によれば、2023年の初冠雪は10月5日に観測されていました。平年より3日遅かったらしいのですが、今年のように平年の10月2日よりも1か月以上遅い初冠雪は、アメリカの大統領選の結果をにらんだわけでもないでしょうが、やはり尋常ではないように思います。
 
静岡市の日本平の展望台からも、雪が積もった富士山を望むことができたそうです。雪をかぶった富士山は、日本のシンボルマークの一つで、その偉容は誇りです。

その日本平の展望台の近くで茶の販売店を営む80代の女性が、
「朝、富士山を見て嬉しくなりました。今日はお茶がたくさん売れるかもしれませんね。」
と話していたとネットの記事で読みました。
 
その「お茶」と聞いて思い出すことがありました。
先日、孫娘の7歳のお祝いに上京しました。二日間泊めて下さった義姉さんが、毎朝出かけるたびに、
「『朝出かける時のお茶は、避けてはいけないよ。』と母が言っていましたので…。」
と言って必ず出がけ前に煎茶を用意してくれました。
 
「朝茶は七里戻っても飲め」
「朝茶はその日の難逃れ」
「朝茶は福を増す」
などの言葉があるようですが、温かい緑茶は、リラックス効果がありますし「朝のスイッチ」が入るようで有り難く思いました。

何よりも、その心遣いが嬉しく思われました。今は亡き義母の言葉や、ありし日の姿までが思い出され、義姉のお茶には、二重の味わいがありました。甘露!


※画像は、クリエイター・Yukihiro🧸さんの「新幹線の車窓からの富士山🗻」の1葉をかたじけなくしました。お名前に「Yuki」の文字を見て、「雪」の文字を勝手に想像してしまいました。お礼申し上げます。