外国人のダジャレ(ユーモア)好きには、恐れ入ることがあります。 数か月前のメジャーリーグのドジャーズ対ダイヤモンドバックス戦(4月30日)で、バックネット最上段に大量の蜂が群れを成して巣を掛けました。
この時、両軍監督や審判団が協議をする中、チェースフィールドでは「ハチ(BEE)」に掛けて、ビートルズの名曲「Let It Be」(何とかなるさ!)が流れました。「Let It Bee」(蜂の意のまま!)というさすがのウィットに笑い、その機転に恐れ入りました。女王バチに気付いてもらえたかどうかは、分かりませんが。 日本人も、古来よりダジャレが大好きです。 「日本語は母音1つか、子音1個+母音の2種類しか音節がなく、ほかの言語に比べて単純なので、ダジャレが作りやすいのは確かです。」 との名古屋大学・町田健先生のご指摘もありますが、同音異義語が多いこともその理由の一つだろうと思います。 たとえば、『万葉集』巻16の3834番は、作者未詳の歌ですが、 「梨棗(なしなつめ) 黍(きみ)に粟(あは)次ぎ 延(は)ふ葛(くず)の 後にも逢はむと 葵(あふひ)花咲く」 (梨、棗、黍に粟の実がついて実り、蔓を伸ばす葛のように、後にまた逢おうと葵の花が咲くことだよ。) これには、「黍(きみ)」は「君(きみ)」に、「粟(あは)」は「逢(あ)ふ」に、そして「葵(あふひ)」には「逢(あ)ふ日(ひ)」の意味が掛けられています。このダジャレのような掛詞は、謎かけや謎解きの面白さもあり、贈答歌の世界を広げ、深め、和らげてくれます。 平安時代の文学作品にも、たくさんの掛詞が見えます。『土佐日記』の作者・紀貫之には、「日本初代ダジャレ王」の称号を贈りたいくらいです。そのダジャレのDNAは、今も淡々と(?)粛々と(?)営々と(?)受け継がれているようです。 今日、8月8日は何の日(記念日)か、いくつくらい思い浮かびますか? ネットの「介護求人ナビ」のページに、
●阿波尾鶏の日 徳島県の地鶏である「阿波尾鶏」の美味しさを広めるために制定された日。阿波尾鶏を食べて、8月9日から始まる阿波踊りを楽しんでもらいたい、という願いを込めて8月8日に。 ●おばあさんの日 おばあさんに感謝するために制定された日。「ばあ(8)ば(8)」の語呂合わせから。 ●こうじの日 味噌や醤油などの発酵食品の原料である「麹」を広めるために制定された日。「米」の字を分解すると「八十八」になることから、数字の「8」を2つ重ねた8月8日に。 ●サステナブルファッションの日 衣料品のリユースを普及させることで、SDGsに貢献することを目的に制定された日。サステナブルをイメージさせる∞マークを縦にすると数字の「8」に見えることから。 ●三陸たこせんの日 東北地方の震災復興支援として製造販売が始まった「三陸たこせんべい」を広めるために制定された日。タコの足が8本であることなどから。 ●そろばんの日 そろばんの普及のために制定された日。そろばんをはじくときの「パチパチ」という音より、「パチ(8)パチ(8)」の語呂合わせから。 ●チャーハンの日 チャーハンの美味しさを広めるために制定された日。美味しいチャーハンの特徴である「パラパラ」とした食感より、「パ(8)ラパ(8)ラ」の語呂合わせから。 ●野島の日 山口県の瀬戸内海に浮かぶ離島「野島(のしま)」の魅力を発信し、地域の振興のために制定された日。平成8年8月8日に、地域住民により大笑い観音が建立されたことから。 ●パパの日 夫婦間のコミュニケーションのきっかけをつくり、パパの育児参加を促すために制定された日。「パ(8)パ(8)」の語呂合わせから。 ●はんざき祭りの日 「はんざき」とは、国の特別天然記念物であるオオサンショウウオのこと。はんざき祭りを通じて、はんざき(オオサンショウウオ)の生息地として指定を受けている岡山県真庭市の湯原地域の魅力を広めるために制定された日。 ●ブルーベリーの日 ブルーベリーの美味しさを広め、ブルーベリーの栄養素で健康な生活を送ってほしいという願いを込めて制定された日。ブルーベリー=Blue Berryの頭文字「BB」が数字の「88」に似ていることから。 ●ベーグルの日 ベーグルの美味しさを広めるために制定された日。昔、ポーランドではベーグルが「終わることのない人生の輪」を意味していたことから、無限大を表す∞マークに形が似ている数字の「8」が重なった8月8日に。
「介護求人ナビ」のページより また、ネットの「tenki.jp」には、上掲以外にも、
【親孝行の日(1989年、親孝行全国推進運動協会)】 「88」が「ハハ(母)」、「パパ」と読めることと、「ハチハチ」を並びかえると「ハハ(母)、チチ(父)」となることから制定されました。 【鍵盤の日(ピアノとボーカルのユニット『ナチュラル ハイ』)】 ピアノとボーカルの女性ユニットがピアノの鍵盤数(88)にちなみ制定されました。 【子ども会の日(全国子ども会連合会)】 ひな祭り(3月3日)と端午の節句(5月5日)を足すと8月8日になることから制定されました。 【白玉の日(全国穀類工業協同組合)】 丸い白玉を2つ重ねると数字の8に見えることから。米を使った白玉を通じて穀類を見直してもらうために制定されました。 【タコの日(1996年、三原観光協会】 タコの足数にちなんで。毎年、タコ供養を行われています。 【ちょうちょうの日(琉球城蝶々園)】 「8」を横にした形から。ちょうの魅力をPRする一環で制定されました。 【デブの日(1978年、大日本肥満者連盟)】 「8」の字のふくよかなイメージから制定されました。面白い記念日ですね。 【パチンコ供養の日(日本遊戯機工業組合)】 パチンコの名の由来でもある「パチパチ」と玉をはじく音から。ちなみに「パチンコの日」は、11月14日です。 【葉っぱの日(現ヤクルトヘルスフーズ株式会社)】 「は(8)っぱ(8)」の語呂合せから。青汁製品の宣伝のために制定されました。 【歯並びの日(日本臨床矯正歯科医会)】 「歯(8)」と「笑い声のハ(8)」の語呂合わせから。矯正歯科治療の啓発・普及活動の一環として制定されました。 【パパイヤの日(1978年、パパイヤ管理委員会日本事務局)】 「パ(8)パ(8)イヤ」の語呂合せから。パパイヤの販路拡充のために制定されました。 【ヒゲの日(1978年、現シック・ジャパン株式会社)】 「八」がヒゲの形に似ていることから制定されました。 【ひょうたんの日(全日本愛瓢会)】 「8」がひょうたんの形に似ていることから。ひょうたんの栽培・加工技術の普及の一環として制定されました。 【フジテレビの日(1988年、株式会社フジテレビジョン)】 チャンネルポジションが「8」であることにちなんで制定。毎年、特別番組や大型イベントが開催されています。 【プチプチの日(川上産業株式会社)】 気泡緩衝材「プチプチ」の並びの一部が「8」に見えること、「パチパチ」と潰すことから。「プチプチ」のPRの一環として制定されました。 【まるはちの日(1996年、名古屋市)】 名古屋の市章「まるはち」制定88年を記念して作られました。市が運営する施設の無料開放や各種イベントが催されています。 【屋根の日(2003年、全国陶器瓦工業組合連合会)】 「八」が屋根の形に似ていることから。屋根の重要性を訴求するために制定されました。 【洋食の日(株式会社千草)】 洋食の代表的メニュー「ハ(8)ヤ(8)シライス」の語呂合わせ。北九州市にある「千草ホテル」を運営する株式会社千草が洋食のPRのために制定ました。 【笑いの日(1994年、日本不老協会)】 笑い声「ハ(8)ッハ(8)」の語呂合わせ。日本不老協会は、「敬老の日」の実現に中心となった団体です。笑うことは健康の源。「笑いの日」も国民の祝日として認められる日が来るかもしれません。
「tenki.jp」のページより など、合わせて31もの記念日がありました。やはり、最後は「笑門来福」、「ハッハ!」と笑って収めたいですね。パリオリンピックは、今日を入れて、残すところあと4日です。
※画像は、クリエイター・tatami_niwaさんの、タイトル「リヴァプール編〜大聖堂・UK音楽探訪〜」の1葉をかたじけなくしました。お礼申し上げます。