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No.852 我が妄想の結末は?

玄関に黒い鉤状の鋭い爪が落ちていました。画像は、その証拠写真です。 一体、何?

これって、もしかして、ひょっとしたら、あの「ジュラシックパーク」で見たヴェロキラプトルの超小型サイズの爪ではないか?小型とは言え、口には鋭い牙がビッシリ生えており、足はデカく、鋭い爪が生えているはずです。 大変身軽なので、飛び上がることも車のスピード並みに走り回ることもできるといいます。どえらいこっちゃ!そういえば、玄関を開けっぱなしにしていたかも?闖入したのか?すわ、一大事であります!
 
玄関をそっと上がり、盗人の足取りよろしく、洗面所、風呂、台所、居間、勉強部屋、二階への階段、寝室、客間等々をおずおずと見回しましたが、それらしい形跡はありません。念のために、あちこちの物置や死角などを、それこそ「かくれんぼ」して逃げた子供を探し当てる鬼になったような気分でさがしましたが、全く手掛かりはナッシング。
 
ふと、お気に入りの買い物かごの中でまったりしている飼い犬のチョコ(5月が来たら15歳)と目が合いました。心なしか、耳を垂らし頭を低くし、見上げるような目つきで、こちらを見ています。えっ?ひょっとして?チョコちゃん?の?爪?彼女の四足の爪を触ってみたら、右足の親指に当たる爪がありません。
 
「狼爪」と書いて「ろうそう」と読むのだそうです。人間の親指に当たる骨で、犬の祖先にあたる狼が、岩場の登り降りに、この親指の爪を使ったそうです。今は形だけ残っており、地面につかない第一指(爪)ですから、役に立たない付属品のような代物でしょうか?
 
名残とは言え、立派な武器の一つなのですが、当のご本人は、爪がとれたことすら眼中になく、痛くもかゆくもなさそうなお顔をしています。「父ちゃんを脅かしてやれ!」という、やんちゃ心で玄関にポイ捨てしたのでしょうか?ポイ捨てはいかんよ、ポイ捨ては!
 
私は、鼻の両穴から思いっきり息を噴き出し、ガラスを曇らせたい気分になりました。