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No.963 団地内の「花咲か爺」こと、F川K義さん

団地内の別の班ではありますが、近所に同い年の知友が出来ました。ゴミステーションの周りの荒れ地を耕して花畑に変え、私が「花咲か爺さん」と呼んでいた人物です。

そのF川さんは、はぎれ屋とミシン屋を同じ店舗で営んでおり、案内のチラシを月刊発行しています。先日、発行した数枚のチラシを頂戴しました。最新作のA4サイズの広告紙・8月号は、表面「はぎれや屋ニュース No.312」裏面「ミシン屋ニュース 第176号」とありました。
 
月刊ですから、「はぎれや屋ニュース」は丸26年、「ミシン屋ニュース」は15年も続いている計算です。発行人の心意気が伺われます。2000部も印刷するとのことですから、多くのご贔屓さんに愛され当てにされている幸せ者のようです。ミシンの専門家でもあります。
 
大分市内にあるその店は「ヘスティアはぎれ屋 ミシンサービス大分」という名です。「ヘスティア」とは、ギリシア神話に登場する炉、暖炉、家庭、家族、国家の正しい秩序を司る処女の女神のことだそうです。「家庭の守護神」「家庭に奉仕する店」の意味で「ヘスティアはぎれ屋」と命名したのだろうと思います。学校教材なども販売しているといいます。
 
そのチラシの「ミシン屋ニュース」の面にはミニコラム欄が設けられています。F川さんや知り合いが「犬」について書き続けているもので、タイトルは「バカ犬日誌」とありました。私は、読んでみて「犬バカ日誌」の間違いではないかと思いました。愛犬ビスケのさりげない日常の姿や小さな事件を愛情深いタッチで300字程度につづったものです。
 
先日、彼と立ち話をしているさなか、「よかったら、ミニコラムに寄稿してほしい。」と依頼されました。愛犬チョコを亡くし、心がうつろな状態のころでした。しかし、その文章はチョコへの弔辞、そして供養になるかもしれないと思い、喜んでお受けしました。すぐに書いて届けたところ、盛りだくさんな記事の8月号に載せていただいておりました。
 

犬好き日誌     (仁)
 スヌーピー好きのカミさんが「すぴぃ」と登録したミックス犬は、生後30日で我が家に貰われてきたお嬢だ。私は「チョコ」と命名したが、ダブルネームに迷惑気味である。散歩中に出会う犬には「犬ウケ」しないが、出会った人々には可愛がられ「人ウケ」する得なタイプ。飼い主に似ない甘え上手、地味だけど愛くるしい目、そして散歩のマブダチという豪華3点セットの愛犬・相棒だった。
 今年の5月に15歳で虹の橋を渡った。よろけながらも、最期まで懸命に前を向いて歩こうとした。老いる姿を見ておけ、まっすぐに生きろ、そう言われている気がした。そして果てた。みごとな死だった。私は、泣いた。

「ミシン屋ニュース 第176号」2023年8月号

今日は、家族中がファンだったチョコ(すぴぃ)が逝ってから、ちょうど3ケ月です。


※画像は、2015年(平成27年)5月22日、我が家のチョコが7歳の時の1葉です。プーさんを抱くお嬢(人間なら45歳?)の愛くるしいあの目にやられます。「さんぽ!」の言葉に狂喜乱舞し、「おふろ!」の言葉でテンション爆下がりするエーラシアン(「えらしい」は、大分弁で「可愛い」)でした…。