No.233 泣いて、笑って、笑って、泣いた。
唐突ですが、ひょんなことからその存在を知りました。あまりに胸を打たれたのでご紹介させていただきました。(なお、作品はコンクールのホームページでご覧になれます。)
前略。どうだい、ソッチ。もう馴れたかい。
コッチは万事に不馴れで、閉口しているよ。
そうか、出窓の手すりにきていた鳩も、
君から豆が貰えず閉口しているのか、おれが顔を出すと、
ぷいと顔を背けて行っちまうんだ。
おれだって、君に劣らず優しいのになあ。まあ、いいか。
鳩は鳩、おれはおれ。
君のつくる味噌汁(おみおつけ)が飲みてえよ。
こん畜生め、後略だ。
上掲の文章は、2015年(平成27年)に始まった第1回「はがきの名文コンクール」で大賞となった埼玉県の山口峯三さん(当時、90歳)の作品です。
20字以上200字以内で「一言の願い」をはがきに書いて送るというコンクールです。はがき1枚に、国内外を問わず、子供から老人までの作者の素直な思いが溢れています。読むことで、日々の荒れた心の波が凪いだり、ささくれだった気持ちが落ち着いたり、笑わせてもらったり、涙をぬぐったり、大いに反省したりと、心が清められてゆくように思うのです。「はがきの名文コンクール」の窓をのぞいてみませんか?
ちなみに、2020年(令和2年)第6回「はがきの名文コンクール」の大賞は、三重県の佐野由美子さん(50歳)の作品でした。もう、心が鷲掴みにされてしまいます。
今、ぷいと居間を飛び出して二階の空き部屋で膝を抱えています。
原因なんて些細な事です。
パートを終え帰宅し、急いで作った夕飯を夫が食べ
「量が多いな」と呟いた……それだけです。
私だって働いてるのに! 頑張ってるのに! 喜ぶかと思ったのに!
「のに」ばっかりの50歳です。
「更年期」って言葉では片付けられないくらい、心の中がぐちゃぐちゃで す。
神様、早く私を大人にしてください。
あっ、ついでに夫も大人にしてください!