No.1391 サバイバル?鯖威張る?
年1回のお楽しみ「ボジョレー・ヌーヴォー」の解禁日は、今年は11月21日(木)だそうです。フランスのボジョレー地方で生産され、「Nouveau」は「新しい」の意味で、ガメイ種を原料とした赤ワインだと、つい先日知ったので、忘れないうちに書いている次第です。
本家本元よりも2か月も早く、9月20日に解禁(?)したのが、ノルウェーからの「サバヌーヴォー」でした。日航グループの商社であるJALUXが命名したのだとか。
体脂肪率25%を誇る私よりも、更に高度(?)の脂肪率30%の優等生(?)だそうで、ノリに乗っているお魚のようです。サバを読んだ数字ではなさそうです。驚きなのは、一度も冷凍しないままで日本に空輸するこの新鮮な「サバヌーヴォー」が、今年で4年にもなるという事でした。知らなかった!
わが大分県には「関サバ」というブランドサバがあります。佐賀関漁協による一本釣りのマサバですが、大分に住んでいても「おまみえ」的存在で、主要都市の人々の舌をうならせています。日本には、有名な漁港の名にし負う高級サバがいくつかありますが、「サバヌーヴォー」は、その一角の座を占めながら、うまく住み分けてゆくのかもしれません。
最近のサバ事情で、予想もしなかった事を知りました。ノルウェーのサバの漁獲は例年8月中旬~11月ごろまで行われ、40年以上前から既に日本に輸出されてきた、いわゆる昔なじみの間柄でした。ノルウェーで水揚げされるサバは日本が最大の輸出国で、全体の漁獲量のおよそ半分を占めているといいます。ところが、近年ノルウェー産のサバの価格が上昇しているそうです。
その理由の一つに競争の激化があるそうです。近年、世界各国でノルウェー産のサバの需要が伸びていると言います。具体的には、フランスやドイツ、トルコやエジプトなどヨーロッパや中東を中心に競争が激化しているらしい。
二つ目の理由として、輸送コストの上昇も価格に拍車をかけています。これまで、ノルウェー産のサバを海上輸送する際には、スエズ運河を通っていましたが、紛争等の影響でアフリカの喜望峰を回るルートに変更したために、輸送に2週間~1か月ほどの時間を要し、コスト高につながっているのだそうです。
一方で、日本国内のサバ事情もありました。農林水産省によると、最近の国内のサバの「海面漁業」の漁獲量は26万1100トンで、平成30年の54万5000トンに比べると半減していました。さらに、不漁の上に近年は体長や重さなどが不十分なサバの水揚げも確認されています。体長が小さいことに加えて脂の乗りも悪く、細くて頼りないため「ローソクサバ」という不名誉な名さえ与えられているそうです。そういやあ、サンマも細身に?
サバが小型化した理由として、人間が作り出した地球環境の変化に伴う海洋環境の影響は否定できないと思われます。これらの小型で安価なサバは、どうなると思いますか?
近年、その多くが「アフリカ」に輸出されているそうです。アフリカの多くの国は、欧州でサバの資源管理が行われるようになり、ノルウェー産など大型化・高価格化の波に押され、欧州のサバを購入することができなくなってしまったそうです。
そこで彼らが目を向けたのが、日本産の小さくて安価なサバでした。日本人はノルウェーのサバを食べ、アフリカの人々が日本のサバを食べるという摩訶不思議な現象が、実際に起きているのだそうです。
以上は、Webマガジン・TSURINEWS「日本で食べられるサバはノルウェー産 国産サバはアフリカへ輸出の不思議」に学びましたが、その記事に驚きの連続でした。
さて、「鯖」(サバ)の名前の由来には、
〇魚体に似合わず歯が小さいことから「小歯(さば)」になった
〇群れで多く集まるところから、「サハ(サワ:多いという意)」と呼ばれ、いつしか鯖になった
〇身体に斑紋のある魚「斑葉(いさば)」から転訛した
などとありました。えーっ!身体の色が青いからじゃないんかい?
私は「鯖事情」を知り、青くなったのは魚だけではなく、人間もそうだなと思った時「人」+「青」の漢字はあるのかな?と思い、漢和辞書をめくりました。何と、ありました!
とありました。
「倩人」(センジン)①人に頼んでやってもらう。人を雇う。
②身代わり。雇い人。
の言葉もありますが「人が青くなる、青ざめる」の意味ではありませんでした。そうなのかー!残念!!
※画像は、クリエイター・わたなべ - 渡辺 健一郎 // VOICE PHOTOGRAPH OFFICEさんの「鯖の塩焼き」の1葉をかたじけなくしました。お礼を申し上げます。二日前の我が家の夕食は、サバの南蛮漬けでした。こちらも美味し!でした。