No.1171 心の花は何色?
今年は、万葉集研究者・佐々木均太郎先生(1924年~2004年)の生誕100年目です。大分大学で教鞭をとられ、その後、別府大学や大分県立芸術文化短期大学の教壇にも立たれました。
その佐々木先生が、1996年(平成8年)7月に、大分城西ロータリークラブでこんなお話をされています。その先生のお人柄をしのび、紹介させていただきたく思います、
私は、このお話に学び、2000年(平成12年)の学級通信を「花自ら紅」としました。しかし、なかなかその精神に至るのは難しいことです。「花自ら紅」と題しておきながら、生徒の凄さ、素晴らしさを誇らしく紹介することだけでなく、クラス担任として、臍を噛む口惜しさや叱咤激励をどれほど文字にしたことでしょう。ダメじゃん!!!
均太郎先生が御存命なら、「100年早い!」と叱られたかもしれません。
そういえば、孔子は『論語』(学而・第一)において、
「人不知而不慍、不亦君子乎。」
「人知らずして慍(うら)みず、亦君子ならずや。」
(人が自分の存在を認めてくれなくても、怨んだりしない。何と立派な人ではないか。)
の言葉を残しています。
私が高校生の時には「不慍」は「慍(いきどほ)らず」と訓んで、
「人が自分を分かってくれなかったとしても、腹を立てない。」
と習ったように記憶します。多情多感な我々を牽制するような教えです。
しかし、肩ひじを張らず、ついでに意地も張らず、自分らしい自然な生き方をするのは、今もって難しく、遠い世界のように思われます。喜怒哀楽の世界にどっぷり浸かりながら、過去を懐かしみつつ何とか生きています。私の心の花は、セピア色かも知れません。
※画像は、クリエイター・みかんさんの、タイトル「散歩で撮ったもの」の1葉をかたじけなくしました。万葉の時代の忍ぶ恋の女性に、心が引き寄せられるようです。お礼を申し上げます。