No.1374 お助けアニマル
もう20年近く前の高校男子ですが、ピアノの上手な生徒がいました。大学進路を決める時、
「音楽セラピーになって、医療や福祉や教育現場で人の心を癒してあげられるような存在になりたい。」
とハッキリと意志表示し、親御さんも私も驚きと共感を持って彼の意志を尊重しました。
その後、名古屋の大学に進学し、彼はその方面の専門性を高めたはずですが、卒業後の音沙汰がないままなので、彼が希望を果たせたか進路は叶ったか、分からないままです。
しかし、セラピー(治療法?)と言えば「動物セラピー」しか知らなかった田舎教師にとって、「音楽セラピー」の印象は刺激的で、大きな期待感をもって送り出したことを今もこうして覚えています。
いつだったか、「オジサンギャグに付き合うのだ!」なるブログの記事に、次のような短い言葉があり、私はそのセンスや発想に「座布団5枚」を進呈したくなりました。
その記事の年月日を書き忘れてしまいましたが、いったい、何を食べたら、こんなに豊かで説得力のある発想が出来るようになるのでしょうか?もうシビレまくりました。柔軟で、パズルの得意そうな「オジサン」に、熱い羨望のまなざしを送りたくなります。
トップ画像の我が相棒「チョコ」は、昨年5月、15歳で虹の橋を渡りました。私が56歳の時から飼い始めた三種混合犬(ミックス犬)でした。15年と言えば、生まれた子が15歳の中学3年生の女生徒になるまで育てた訳ですから、失った悲しみは言いようがありません。その病死は、悪戯好きのお嬢の武勇伝には似合わぬものでした。しかし、定年退職後の私の10年間は、彼女が生活や散歩の相棒として、我が心と体のセラピーを果たしてくれていたように思います。
今日、男女の平均寿命は延びています。しかし、それに付随するかのようにさまざまな病気や体力不安や精神不安も漏れなくついてきます。そんな時、
「『animal』(動物)を並べ替えたら『ail man』(病気の人)になります。「動物」が「病気の人」を治せる存在と考えられないかな?」
の提言が、いま一度見直され、犬や猫に限らず、広く応用される取り組みにつながって行ったらいいなと思います。動物を助けているようでいて、本当に助けられているのは私たちの方なのかも知れません。
環境省の統計資料で、犬猫の殺処分数は、
令和元(2019)年度
…32,742頭(犬5,635 猫27,107)
令和2(2020)年度
…23,764頭(犬4,059 猫19,705)
令和3(2021)年度
…14,457頭(犬2,739 猫11,718)
令和4(2022)年度
…11.906頭(犬2,434 猫9,472)
であったことを知りました。
これは、今から20年前の、
平成16(2004)年度の殺処分数
…394,799頭(犬155,870 猫238,929)
に比較すると、大幅に少なくなりました。
理由は時代性もあるでしょうが、様々な方面からの積極的で愛情あるアプローチの成果だと思います。そして、現在、「殺処分ゼロ」に向けての取り組みも行われています。
さまざまなセラピーは、人々の生活に潤いをもたらしてくれますが、「動物セラピー」として、容易な課題ではないかもしれませんが、この動物たちを活用して地域に奉仕する保健所の窓口にも期待したいと思います。