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No.946 素直な男
在職中に生徒たちが書いてくれた「学級日誌」の思い出で、私がまだ年齢を誤魔化さずに言えたころのお話です。
その日の日誌の空白部に、むくつけき男の文字で、
「ピーナッツは、殻がついている状態を落花生、赤い皮がついている状態を南京豆、その皮を剥いで味付けしたものをピーナッツという。」
と書いてありました。これがホントの「豆知識」だと思いました。
その道に詳しそうな「違いが分かる事典」(ネットのページ)で確認してみました。
「落花生」という呼称は植物としての特徴を表しているため、植物名として表す際には「ラッカセイ」が使われる。また、殻の付いたままの実もその特徴を表しているため、食用としての実の中でも、殻が付いたままのものは「落花生」と呼ばれる。
「ピーナッツ」は、「豆」を表す名前なので、殻が取り除かれた実や、茶色い皮が取り除かれた実で、塩などで調理した後のものを指すことが多い。
「南京豆」は、最も古い言い方になり、現在ではあまり使われないが、殻だけが取り除かれ、茶色い皮が残ったままの実をいうこと指すことがある。ただし、皮の付いた実は「ピーナッツ」とも「落花生」とも呼ぶことがあり、明確な使い分け方ではない。
さらに、実の状態以外にも、洋風の味付けや洋菓子に用いた実は「ピーナッツ」、和風の味付けや和菓子に用いた実は「落花生」と、調理の仕方による使い分け方もある。
さて、同じ日の「学級日誌」の「清掃・風紀欄」に、
「飛び散るホコリ、苦痛に満ちた顔、『教室』という一つのエリアを舞台に、若さと友情が弾け飛ぶ。青春の素晴らしさを肌で感じた私だった。」
と、またしても、むくつけき男の文字がありました。デフォルメとエスプリの交錯するその文章は、ほとばしるような感性で彩られ、読み手の心をくすぐります。
「君は、コピーライターになりなさい!」
と担任記入欄に書き込みました。素直な彼は、「コピーライター」を「自衛隊」と読み違えたのか、その方面に進路を決めて行きました。思えば、機関銃のようにポンポン言葉の飛び出す男でした。
※画像は、川中紀行/コピーライターさんの、タイトル「戦うな、盗むな、欲張るな。」の1葉をかたじけなくしました。世界の現状を言い当てたようなコピーです。