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No.1314 あなたの虹に祈ります

2005年(平成17年)の第5回「シルバー川柳」では、12、096作品もの応募があったそうです。その中の入選句に惚れました!
「年だもの 最後だわねと またハワイ」
もう、笑いをこらえられません!福岡県の50代の女性の作ですが、実の母か義理の母の「年だもの 最後だわね!」の口癖がヒントだったのでしょう。老人たちの「魔法の言葉」?勉強になりますっ!
 
亜熱帯に属し、雨が多いといわれるハワイ島のヒロでは年間の降雨日が250 日(68%)にもなるそうです。それだけに虹がよく見られるといいます。ヒロに限らず、ハワイ諸島では、日常的な天空ショーのようです。

ちょっと調べたら、この他にも、ハワイでは夜に月の光で「虹」が作られるという驚きの情報もありました。「ムーンボウ」(夜の虹・月の虹)と呼ばれる神秘的な現象ですが、これは、なかなかお目にかかれない「幻の虹」だそうです。でしょうとも!月の明かりが強い満月前後や、街中ではない自然豊かな場所であることが、観測するための条件だということも知りました。ヘーボタン乱打です!
 
さて、世界では「虹」は何色と考えられているかをネット検索してみたら、
アフリカでは8色(赤、橙、黄、黄緑、緑、青、藍、紫)
韓国・オランダ・日本では7色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)
アメリカ・イギリスでは6色(赤、橙、黄、緑、青、紫)
中国・フランス・ドイツ・メキシコでは5色(赤、黄、緑、青、紫)
ロシア・アフリカ、東南アジア諸国では4色(赤、黄、緑、黒)
などとありました。
 
その理由として、
「色の見方や、色を表す言葉の有無が、国や文化によって異なるために虹の色と色数に違いが出ること」
が指摘されていました。同じものを見ていても、見え方は異なるのですね。同じものを見ても、考え方が異なるのも十分うなずけます。
 
ハワイの「虹」は6色だそうです。
「赤色の鳥の羽」「橙色のイリマの花」「黄色のバナナ」「緑色の木々やシダの葉」「青色の海」「紫色の女王様のドレス」
の6つの色を集めてきて、それをカフナ(僧侶・賢者)が空に放ったのが虹のはじまりという昔話からきているそうです。
 
「ハワイ」つながりで「虹」の話になりましたが、その昔、私の大好きだった気象学者でお天気キャスターの倉嶋厚さん(1924年~2017年)は、こんなことを言いました。
「日の差す方角ばかり探している人に、虹は見えないのです」
 
私たちは、光を放つ明るい太陽を尊いと思い、そのような人の方を向きがちです。しかし、「虹」は、人の後ろから射し込む光が、人の前方の雨粒に反射することで天空にアーチをかけるものです。だから、太陽の方を見ている人に、背後にある美しい虹は見えません。
「なにか大事なものを見失ってはいないでしょうか?」

そんな味わい深く、己の人生を振り返させる言葉も残して、2017年(平成29年)8月3日、倉嶋さんは虹の向こうの世界へ旅立ちました。享年93。今年は百寿でした。
 
日々、全身全霊を「柔」の道に打ち込んできたあなたも、太陽の方を向いてばかりの努力精進を続けてこられたことでしょう。大会の連覇に向けて…。でも、試合で負けて初めて、これまであなたに負け続けてきた人々の「思い」を心の底から思い知ることが出来たのだと思います。自分の来し方を振り向けば、美しい虹に気付くかも知れません。その虹は、あなたがさらに強くなるために見ておく虹ではないかと思います。昨日の負けは、未来のメダルに一歩近づくために避けることの出来ない瞬間でした。あなたが「虹」の美しさに心奪われ、癒され、心洗われ、再起のあらんことを祈ります!


※画像は、クリエイター・Hiromasa Uiさんの「虹」の1葉をかたじけなくしました。お礼を申し上げます。号泣した彼女に、エールを送ってあげてください!