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No.1377 そこに愛(AI)があれば!
「あっ、おススメの本があるんですよ。ちょっと待っててください。」
私の姿を見つけたT先生、コンピュータ室の自分の机から1冊の本を持ってきました。『Newton AI大図鑑』(ニュートンプレス、2020年12月)です。トップ画像は、それです。
「AI」と言ったら、「あ(A)なた、い(I)いかげん」の略称しか思い浮かばないような文系の男を捕まえて「おススメの本」だなんて、「君は、一体、ど・ど・どこに目をつけておるんじゃい!」と言ってやりたかったのですが、気の小さい私はゴクリと吞み込みました。
600グラムもあるその大図鑑(トップ画像)をお借りして、ていねいにめくりながら読みました。くっそー!面白い!面白過ぎる!家に一冊国語辞書の『広辞苑』であるなら、家に一冊『Newton AI大図鑑』と言いたいと思いました。(けっして出版社の回し者では…)
1 AIとは
2 AIのしくみ
3 AIと医療
4 AIと言語 コミュニケーション
5 AIと自動運転
6 さまざまな場所で活躍するAI
7 AIの弱点と汎用AI
8 AIの共存
9 AIと教育
のサブタイトルで、82項目にわたる「知りたいAI事情」が惜しげもなく開陳されています。文系の私でも投げ出さずに最後まで読めたのは、文章が少なくて簡単・明瞭・納得だったからです。そのうえ画像が多く、視覚に訴える効果を十分に狙っています。71歳の爺さんでも飽きずに最後まで読ませる魅力がありました。
例えば、次の中で、AI作の俳句はどれでしょう?
A てのひらを隠して二人日向ぼこ
B 唇のぬくもりそめし桜かな
C 初恋の焚火の跡を通りけり
D 白鷺の風ばかり見て畳かな
E 裏方の僧が動きて麦の秋
どれも良くできており、「日向ぼこ」「ぬくもりそめし」「初恋と焚火の跡」の組み合わせの妙、「裏方の僧」への視点など、人ゆえの表現だろうと思ったら、さにはあらず。ぜーんぶ「AI一茶君くん」の作なのだとか。もう、「おったまげー!」でした。
さらに、例えば、過去のプロ棋士どうしの対局した膨大な石のパターンをAIに読み込ませてその戦力アップを図ったAIよりも、むしろ、過去の対局記録や手筋を教えずに、AIどうしで対局させ、より多く勝てるように試行錯誤させた方が強くなったという驚きの結果も紹介されていました。もう、ヘーボタン乱打です!経験値を生かして大きな実績を上げて行くAIは、どこまで進化を?「あ(A)っと言(I)わせる」のがAIか?
ただ、今日的な世界の大問題、例えば、紛争、戦争、温暖化、環境破壊、難民、食糧ほかの解決方法について取り上げられてはいませんでした。それは、私たち自身が調べなさいと言う事なのかもしれませんが、いつ出てくるか、いつ取り上げるかと期待しながら読み進めたので、少しモヤッと感が残りました。「AI大図鑑」の呼称で良いのか?と。私には、「AI応用大図鑑」の印象がありました。
きっと、この本の著者の意図と、私の期待に齟齬があったのでしょう。仕方がないから、T先生にチャット何とかで、先の世界的課題について訊いてもらおうと思います。
「チョット、ナニイッテルノカ、ワカンナイ!」
とは言わないと思いますので。