いじめを止められる教師といじめを悪化させる教師の違い
「心優しい先生がどれだけ頑張っても、いじめが無くならない所か悪化する」
「優しい先生が担任になる可能性は体感50%ぐらいはあるが、いじめを止めてくれる、改善してくれる先生に当たる確率は体感1割もない」
いじめを実際に受けていた方、あるいはその親御さん、いじめに真剣に向き合ったことのある教師の方には、ピンと来る方も多いのではないでしょうか。
初めまして、オキモトと申します。私は中学・高校といじめに遭い、高校一年の時のいじめをきっかけに高校を中退、3年間の引きこもり生活を経験しています。
今noteでは、自分の体験をもとに、いじめを悪化させる教師といじめを緩和・解消できる教師の違いについて書いていきたいと思います。
一人でも多くの心優しい先生方に届き、いじめに苦しむ生徒が救われれば幸いです。
①いじめを止められる教師と止められない教師の違い
単刀直入に結論から申し上げますと「いじめを止めたくなる理由を提示できるか否か」が全てです。
当たり前のようですが、これが出来る教師は体感10%もいません。
1.生徒と心を通わせ、不良の心を溶かす金八先生タイプ
2.不良を野球にハマらせて更生させたルーキーズの川藤幸一タイプ
3.鬼のような恐ろしさで、生徒を震え上がらせる昔の体育教師タイプ
4.いじめられた生徒の話を聞き、厳格な処置を持っていじめっ子を停学、退学などの処分に処すルールに厳格な教師タイプ
大体「教師」がいじめを止める時は上記の4パターンのどれかに当てはまると思いますが(私が見てきた例ですので、他にもパターンがあったらコメントで教えてください)、どれもいじめっ子達に「いじめをやりたくなくなる理由」を提供しています。
1.の金八先生は「好感を持てる金八先生がやめろと言った」からいじめを止めたくなります。
2.のパターンだと野球などに夢中になることでいじめをやる暇なんてなくなります。
3.のパターンだと、生徒に「怒られたくない」という明確ないじめを止める理由を与えています。
4.の場合、法律と同様罰則を怖がりそれがいじめを止める理由になります。
では、それを踏まえていじめを止める時、どのパターンを狙えばいいでしょうか。答えはもちろん1.… ではなくて4です。
②なぜパターン1〜3を狙うのが危険なのか
殆どの「良識はありながらいじめを止められない」教師はパターン1〜3を狙って失敗しています。それぞれのパターンで、何がまずいか考えていきましょう。
パターン1・生徒と心を通わせ、不良の心を溶かす金八先生タイプの問題点
まずパターン1の問題点は、「どんなに素晴らしい人でも、人には好き嫌いがあり全員に好かれることは出来ない」という事です。
金八先生やごくせんのヤンクミはドラマなので最終的にはほぼ全ての生徒に好かれる事が出来ますが、現実ではそうはいきません。もしも金八先生が全ての人間に好かれるのならば、金八先生のドラマ視聴率は100%のはずです。
パターン1の先生は自分のことが好きな生徒のいじめは止めることが出来ますが、そうでない生徒には「いじめを止めたくなる理由」を提供できないのです。
更に恐ろしい事に、このタイプは大体優しい性格をしているので「いじめっ子にも優しく、本来やるべき罰則をなあなあにする」
という問題がたびたび生じます。
結果、このタイプの教師の大半はいじめを止めることが出来ないどころか、むしろ無意識に事態を悪化させているパターンの方が多いのです。
パターン2・不良を野球にハマらせて更生させたルーキーズの川藤幸一タイプの問題点
パターン2は、そもそも現実世界でやろうとする教師の方は少ないように思えます。なので簡潔に問題点を申し上げますと、いじめが最大の娯楽になっている生徒には対応不可能です。
私の経験上、いじめが1番の娯楽になってしまっている学生はかなり多いです。本人が自覚しているかはともかく、「ゲーム、スポーツ、いじめ」のどれが一番楽しいかというのは同じぐらいの比率でバラけるのではないでしょうか。それぐらい子供は残酷です。
ゲームやスポーツを楽しむ場合は個人の自由でいいのですが、いじめは被害者の人生を壊すので絶対に止めなくてはなりません。
パターン3・鬼のような恐ろしさで、生徒を震え上がらせる昔の体育教師タイプの問題点
パターン3は1や2に比べると比較的現実的で、実際にこれでいじめが止まったり、抑えられるというケースは多々あります。
しかし、これ自体はいい事なのですが最近は「教師の体罰」に対して罰則が厳しくなっており、力による抑止力を教師が持つ事は不可能になっています。直接的な暴力を使わずに生徒を恐れさせ、支配するというのは本人のキャラクターに余程の圧がないと成立しないのが現状です。
しかもこの手のタイプはそういうキャラクターが作れなかったり、逆に気性が激しすぎて感情のコントロールができなくなると本当に暴力を振るうこともあります。
当然ですが直接生徒に暴力を加えることは犯罪です。犯罪であるいじめを止めるために、自分が犯罪者になるのは本末転倒でしょう(私の母校には居ましたが、今は教師を辞めています)。
また、この手のタイプは生徒に相当なストレスや不満を与えます。結果、表向きのいじめは減っても教師にバレにくい形のいじめはむしろ増えてしまうこともあります。
これは自分の高校時代の話ですが、コワモテの野球部顧問が一つの失敗をキッカケに支配力を失い、それまで無理やり押さえつけていた野球部によるいじめが大量発生し、同時期に自分含めて3人の生徒がいじめを苦に学校を辞めるということが起こりました(後々内情をnote記事にすると思います)。
彼は最終的に一連の事件の責任を取る?形で二段階の降格という憂き目にあいました。
体罰が使えない現代の学校において、恐怖による支配・管理は非常に危ういバランスのもとで成り立っています。わずかでも隙を見つけられればたちまち崩壊してしまう上、一般の生徒にもストレスを与えるこのやり方では、生徒を幸せにすることは出来ないでしょう。
③ パターン4が、なぜいじめを止められるか
これは勿論「確実にいじめを止める理由を提供出来る」事が大きいのです。
パターン1〜3は、どちらかと言えば感情に訴えるタイプのやり方でしたが、パターン4は完全に理性の方に訴えかけています。
子供も立派な一人の人間です。自分が得をしたいし、損することはやりたくありません。厳格な罰則を持って「いじめをすると損である」ということを徹底的に覚えさせればいじめは殆どなくなる。これを徹底できない教師が多いから、人生が崩壊する可哀想ないじめられっ子が多いのです。
いじめられ、社会をドロップアウトしても周りが助けてくれ、本人が死ぬ気で努力すれば社会復帰は可能です。
しかしなぜ、何も悪くないいじめられっ子が、死ぬほどの努力をしなければならない状況に追い込まれているのでしょうか。
追い込むべきはいじめる側のはずですが、彼らの大半はなんら困ることなく成人し、のうのうと生きているのが実情です。
だからこそ、教師はいじめを犯罪としっかり認識し、徹底的な対応をする事が大事なのです。そしてそうすれば抑止力のみならず「暴力など本当に重度のいじめに発展した場合、退学や公的機関による拘束などでいじめっ子をその場から排除する」事が出来ます。
https://fukuoka.vbest.jp/columns/criminal/g_violence/736/
上記のサイトを参照すると、14歳からは罪を問う事が出来、流れ的には大人とほぼ同じように裁けるそうです。また
https://www.kyotolaw.jp/knowledge/juvenile/2010/10/368.html
13歳以下の場合、刑事事件として罪を問うことは出来ませんが児相に対応してもらう事が出来ます。
「法律」が非常に強力な抑止力であることは、誰の目からも明らかです。しかしなぜ、令和になっても殴る蹴るのいじめがなくならないのでしょうか。それは
「教師や学校がなあなあですませている」
からに他なりません。
私の最も嫌いな言葉の一つに「加害者の子にも未来がある」という言葉がありますが本当に反吐が出ます。本来なら刑事事件にするべき案件が、学校側の都合なり、加害者生徒への教師の同情だったりで平気で揉み消されているのが今の日本なのです。
教師が変われば、日本が変わる
教育というのは、社会の根幹を担う大事な仕事です。そして今、日本の宝である未成年の自殺者が過去最高、500人を超えてしまうという痛ましい事が起きました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/88ba281ff0661a83bb39f63ae1e11924552dba42
私ももしかしたらこの数値の中に入っていたかもしれません。いじめ問題を解決すれば、この自殺者数は確実に減らせます。それを出来るのは、現場で今生徒と向き合っている教師の貴方しかいません!
長記事の閲覧ありがとうございました。この記事が一人でも多くの方の目に触れ、いじめが少しでも減れば幸いです。