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不思議を巡るデザイン旅⑤世の中を良くする不快のデザイン展(GOOD DESIGN MARUNOUCHI/丸の内)~”逆”転の発想を感じる
不快…に感じると人間誰しも「いやだな」と思うもので、マイナスに捉える。
しかしこの”不快”が私たちの生活をいかに”良く”しているか、知っているだろうか?
どうしても、心地の良いものを編み出そうとするのが私たち。
しかし心地が良いだけでは、伝わらないこともある。
そんな”逆”転の発想からデザインの面白さを感じる展覧会を見つけたので是非足を運んでみてほしい。
世の中、”不快”で成り立ってた…
![](https://assets.st-note.com/img/1680249269465-GQAHuk5gRR.jpg?width=1200)
不快のデザインとは一体どんなものがあるだろうか。
一番有名なのは、ゲーム機。
かの任天堂が作った現行の携帯ゲーム機であるSwitchは、子供の誤飲を防ぐために「苦い」塗装を施しているらしい。
なるほど、確かに”不快”である。
不快によって危険を伝えている。誤飲による命の危険を知らせているのだ。
一説によると、”快”、”心地の良い”、”印象が良い”より、
マイナスイメージである”不快”なほうが認識するスピードが速いらしい。
Switchはその「子供が誤って食べてしまう」「口に入れてしまうような感覚」を防ぐために”苦く”したのだ。
そうすることで子供が口に入れても瞬時に「おいしくない!」と思いペッッッと吐き出す。
確かに、”不快”というのは危険を知らせるために必要なデザインの一種なのかもしれない。
あと”嫌~な音”といえば、何かと話題の国民アラームじゃないだろうか。
親戚が日本海側に住んでいるのだが、毎回毎回あの”とんでもない音”が大音量で流れるらしい(親戚談)。
気になる方はYouTubeで聴けるので検索して聴いてみてほしい。確かに”とんでもない音”だ…
![](https://assets.st-note.com/img/1680249294760-wZm3dNHLRy.jpg?width=1200)
音だけではなく、視覚的なもので”不快”も存在する。それは危険を伝えるものもあるが…学習能力を高めるための不快なデザインがある。
![](https://assets.st-note.com/img/1680249282657-zw6pz4ScfK.jpg?width=1200)
この記号や数字が”不快”で学習能力を高めるものらしい。
うん…なるほど…「読みにくい」から「これは○○かな」と覚えるのか?
視覚・聴覚・味覚…あらゆる場面で”不快”なデザインは役立っていた
対・人間にだけではない。
動物…ペットフードの器にも”不快”なデザインが施されている。
食べ過ぎ防止の突起だという。
多分、「ああぁ~~この凸凹邪魔だな~!うまく食べられないよ!(激怒)」みたいな感じだろうか。そんな突起で食べすぎや勢い食いによる喉の詰まらせが防げるのか…と一瞬考え込んだが、確かに昔買っていた猫がガツガツとご飯を食べたら「ウッ」ってなったことがあった。
…もっと早くに欲しかった。
面白いな~と感じたのは某市役所のベンチ…のようなテーブルのような、「何しても正解だよ」という木材の…ベンチ?である。
これは視覚の”不快”によるデザインで、あえて使い方を曖昧にしているらしい。
いや、どっちだよ!とツッコミたくなる気持ちもあるが、このベンチ?はどんな使い方をしても正解なのだ。
つまり、これが最近話題の多様性ということか…?
誰が決めたんだろうね、机と椅子って。
板じゃん。高さが違うだけの。確かに、何をどう使っても良い気がする。
その「曖昧な境界線」をあえて作ることで”不快”を万人受けするデザインに変えているのかもしれない。
奥深いな、”不快”。
”不快”は難しいデザインテーマなのかも。
モンスターとかのエナジードリンクも、実は”不快”をデザインしたものらしい。うーん、学生の頃はみんな飲んでたモンスターもかぁ。
食欲無くなる色してるよね。
よくよく考えてみると、その「食欲失せるわ!!」みたいな感覚が良いのかもしれない。逆に「効果ありそう!飲んでみっか!」とかなるのかも。
面倒な工程のあるレシピやゲームもいわば”不快”だという。
手間をかければ美味しくなる、上手くできる、という感覚をとらえた…というのだろうか。
マイナスイメージから創る、不快なデザイン。なかなかに難しいテーマだと感じる。
よくデザインの添削なんかで「ああもう!気持ち悪いなこのまとまらない感じ!!」とか思うのも一種の”不快”なのかもしれない。その感覚を上手く使ってあえて気持ち悪くすると面白い…と思ったが私にはまだ早い?
悪いものを良くする、とは言うが、根本は”不快”だ。
どこで誰がどう思うかは人それぞれな部分もあるが、その感覚を捉えて具現化していくというのは…並大抵ではできない。
まるで小学生の自由研究テーマのよう。
これ、良いな!と思うだけがデザインじゃない
美しい
綺麗
良いと思う
など
黄金比や左右対称、使いやすくわかりやすく。
大体のものはそういう感覚でモノを売ったり、人の心に響いたりするものだが実際世の中のものってみんながみんなそうじゃないんだな。
人を守るため、学ぶため、習慣づけるため、様々なところであえて”不快”、”嫌”、”気持ち悪い”などとしているデザインもあるということ。
排除すべきものもあるが、生かしながら良くしていくというのは一番理にかなってて良いのかもしれない。
思わずこれがまさしくグッドデザイン…と納得するような展示会であった…
不快のデザイン展、4/23まで開催しているので足を運んでみてほしい。