私は何者か、番外編、a dozen 短歌 57
水遣りの先に砂漠のオアシスが一瞬ゆらめくすぐに消え去る
種撒いてゴッホの少年日暮まで黄金のなかのすべての色彩
たとえば声たとえば手紙風吹けば髪靡かせてふつうのことよ
畑より頂きて我煮転がし作りて夜秋此処が在処と
何もせず景色を見やる一日の当たり前なるそんな幸福
ゆふぐれが急いでいるか誰が待つ森の奥にも明かり灯して
足指の爪のかたちは母に似て耳のかたちは父に似ており
急いではいけない解りきったこと影はわたしの後に従い
さよならにこんにちは告げて21時ブエノスアイレスとか行ったことない
話したら君はやさしく聞き給う縛り合うなどもはや野暮天
アンタレス約束の日のもう間近河渡りゆく静かに光り
知らぬ間に左の腕に擦り傷よそんな無償に君を愛して
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