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私は何者か、615
避けているのかと、問われれば、何と答えよう。ただ、あなたが好きなのよ、それだけ。なんて、子どもの言うこと。その年ならばもっとましな答があるだろうに。そうなのか、そんなふうに、齢で勘定するのか。お前。いつもいつも、わたくしのそばに居て、私に問う。問われては答え。答えては、問い続け。ビールも最後の一杯よ。これを飲み干せば、もう、帰ろうと。黄金の飲み物は、案外頑固でそのくせしゅわしゅわ。擽ったい。でもね、はっきり言おう。ふりはできないのである。なにか、裏打ち、んー、理由がなければならないのである。攻めいられたらどうする。いつも先の先まで読んで、そして、それから、問うのであろう。言うまでもないことであるが。んっんっなどと、問い直すフリの、時間稼ぎ。疲れる。疲れてはまた、つつかれておる。レヴェルがあがったのかどうかは知らねど。我はまだ耐えられる。これくらいなら、全然よ。
それより、どうだ。なにを作る。なにを作れて、なにを作れないのか。それだけで、この世の仕組みは天と地ほどの差よ。
翻弄されているなー、この世の仕組み。この期に及んで、エーアイなどと、カタカナで書いてやる、そんなふうに、そんなふうな、社会、いや、もはや、社会などと言えるのか。
放っておいてはくれまいか。
放っておけるわけがない。
払い続ける。
何某かの金と、気配り、責任と、笑顔。
流れる水に、わたしのこころをあずけてしまおうか。
問うばかり。
答えが見つからぬ。
泣きたいほどに。
わたしは何者か。