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暴君ネロだって? 亡き人について考えるとき


ちがうの

ちがうの

赦すのは私ではないの

たとえばわたしが彼を赦しても、彼がそのことに気づき、気持ちを変えなければ、彼はいつまでも真の意味で赦されることにはならないと思うの

赦すことも
また、赦されることも

己の心のありかたではないのかと思うの


けれど
残念なことに
彼はもういないわ


つまり
彼は、
赦されることもなく、赦されぬこともなく
過去に生き続けることになるのよ


もう
わたしには
届かぬ
遠いところにいるひと


けれど、
わたしは
赦すことで自分が解放される

じぶんに
問うてみる


 それにしても
 赦す、
 赦されない
 など

 おまえは
 いつから
 そんなに
 えらくなったのか


 それは
 生者の奢りではないのか、と


そして、おもう


 暴君ネロ

 彼は

 生きて

 真の意味で

 赦されたのか、と




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