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私は何者か、番外編 a dozen 短歌 65
こんなにかどんなにかとてもありがたい感謝しかない今日よ寧日
涙もて何をしらせる我儘のうえに成り立つ我の我たる
親切か構いたくもなし放っておけそれでも若いひとよ急ぐな
捉われず囚われの身よ乗り継いで乗り換えてゆく睫毛の先の
温かいもののひとつにわたくしの心燃やして淡いゆふぐれ
三角で緑のケーキ小鳥なら一度は行ってほしいところよ
暮れなずむ景色わたしの言の葉が描く風景放物線上
たくさんを見過ぎて眼瞑るとき私の中がぽっと明るい
水のうへ流されてゆく花びらは祈る言葉の代わりとおもふ
そのひとのことは知らないそのひとも我を知らない冬のまんなか
一年を終えようとして振り返るわれの姿を振り返る者
どんなこと言えないことよ留まって精いっぱいの私はみ出す