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私は何者か、527
夫の実家を処分することになった。みんな、鬼籍に入ってしまった。こどもたちとアルバムや本や思い出の品を引きあげてきた。
電気も水道も止めてあるから、この暑いなか、段取りどおり、さっさと済ませなければならない。そして、発見。子供たちのテキパキさに驚いた。要不要の判断も早いし、重いものもさっさと運ぶし、知らぬ間に大人である。そりゃあ、もう、大人だ。頼もしい。
アルバムのなかの彼らは純真な子どもである。
もう、絶対取り戻せない時間の中にあって、微笑んでいる。
美しい。
時間の経過は残酷なようで、また、そのものの持つ本当の姿を見せてくれる。
遅れてきた真実みたいに。
わたしは何者か。