現在進行形の、この、恋と呼んでもいいかも知れないものについて 10
「ぴ・あ・の」
私を呼ぶ声がする。
目を開けると、彼が呼んでる。私は眠ってしまったらしい。
誕生日のお祝いの赤いワインにすこし唇を付けただけで、あとは覚えていない。そのまま深い眠りに落ちた。
どれだけ眠り続けたのだろう。
呼ばれて目が覚めて、彼の優しい眼差し、こんなしあわせないと思った。
眠っている間に、夢を見て、夢のなかで眠るわたしは枯蓮のシャワーを浴びて睫毛がまだ涙で濡れている。
去っていった人たちがわたしを高みへ押し上げる
深い深い暗闇からたどり着いた小さな白い光の先に、彼がいる
これが生でなくてなんなのか
これが恋でなくてなんなのか
誰かが用意してくれた最高の夜
真夜中の真ん中で君を叫ぶ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?