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私は何者か、番外編、a dozen 俳句 16


食卓のまんなかいちじくジャム光る

鉛筆がころがってゆく秋の暮

傾いてなほ傾いて夏逝けり

寝返ってみてもひとりの秋深む

野分雲スマホのなかの出来事で

抱き合うひとの真上の星月夜

眠ることそれすら疎ましこの夜長

流星を拾いに行けば山の端

蟋蟀の髭に見蕩れており阿吽

本棚の隙間で光る六等星

落ち葉踏むかさこそとひそひそのあいだ

秋の野を我まっすぐに走っている


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