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サンフランシスコzineフェスに出店参加してきたよ
2024年9月にサンフランシスコに足を運んだ最大の理由が、サンフランシスコzineフェス(SFZF)に出店参加することでした。アメリカでのzineイベントに参加するのは今回が初めて、、、
前日はいろいろ準備
前日はいろいろと準備をしていて困ったことに気がつきました。それは普段トロントで使用しているクレジットカードやデビットカードで決済ができる機械のようなものがアメリカでは使えなかったこと。いろんな通貨に対応はしているのですが、使用する国ごとにアカウントが必要らしく、アメリカに住所がないためアカウントは作れませんでした。なので急遽、テーブルに貼るための現金のみのお知らせを作成。
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サンフランシスコは家から車で行けるような場所ではありません。そのためディスプレイ用にあれこれ持ってくることはできないんですよね。なので事前にカルトナージュ(*)のスナップトレイをzineのディスプレイ用に作りました。スナップトレイは四角につけたスナップをとめるとトレイになりますが、スナップを外すと平面です。なので旅先に持って行くにもとっても便利。
(*)カルトナージュはフランスの手工芸です。厚紙を作る作品に合わせて準備し組み立て、それに生地や紙などを貼って作品を作ります。
あとは現金のみですのでお釣り用のこまかいお金も必要なので、大きなお金でちょこっとお買い物をしつつ、釣り銭を準備したり、値段をつけたりして前日を過ごしました。
San Francisco Zine Festの様子はこちらの音声配信でも話しました。
当日会場に行ってみたら、、、
当日会場に足を運び、壁に出店者のマップが貼ってあったので、それを頼りに自分のテーブルを探します。きちんと数を数えたわけではありませんが、少なくとも200くらいの出店者はいたもよう。中には招待されてやってきたzineブランドもあったみたいです。(そういう特別なフラッグを横に置いているブースが何店かありました)
この方と一緒にテーブルシェアしました
今回も私は長めのテーブルをもう1つのブースの方とシェアする形で申し込みをしました。で、今回テーブルをシェアした方が、耳が聞こえない方だったんですね。ただこの方、生まれつき耳が聞こえないわけではないようで、お話は普通にされるので、最初全く気がつきませんでした。少ししてからテーブルに書かれているメッセージを見て気付いた感じです。プラスこのzineフェスではマスク着用が義務でした。なので彼にとって口元が全く見えないため、そこから何を言っているのか想像することができないのが大変って本人もお話しされていました。
実はこの方、前日にインスタで私にメッセージをくれていたようななのですが、インスタに疎い私は全く気付いていないという笑っちゃうようなことも。しかもそれに気付いたのがフェスが終わった後、笑。今見つけましたーとメッセージを後で送った感じです。(これじゃ送ってくれた意味がなくなっちゃいますよね。インスタちゃんと使おうと思います ^ ^)
小さめのホワイトボードみたいなものを持参してくれていたので、そこに話したいことを書いてコミュニケーションをする、人生初筆談をする体験もしました。それ以外にも彼のテーブルには手話の通訳者の方がいらして、ほぼ同時通訳。すごいですよね。自分の話した英語を手話に通訳してもらうのも初体験でした。
この方、学校で手話を教えている先生だそうです。で、こういう授業が普通にあるからなのか、アメリカで手話できる人、多い気がしました。例えば彼のテーブルで足を止めて会話を始める方、たくさんいらっしゃいます。ただこの時点では耳が聞こえないことに気がついておらず、私のようにテーブルのお知らせを見て急に気づき、気付いたタイミングで口頭での会話が止まったと思ったら、すごい勢いで手話を始める人、何人かいたんですよね。その後は何事もなかったように手話で会話が続いていたので、手話は全くわからないけど、たぶんすごい流暢に話していたのではなのではないかな?と想像しました。
あとは少しだけ手話を知っているという人も中にはいらして、でも少し知っているだけでも使ってみる方が多かったです。わからないところは隣にいる通訳の方に聞きながら、でも教えてもらったら、自分でそれをやって会話を続ける。これを見ていて思うことは、目の前にいる人と話したいんです、これを伝えたいんですっていうパワーがすごく感じられたこと。これこそコミュニケーションの一番大切なことではないでしょうか?この経験から、そんなことを意識させられた気がします。
サンフランシスコzineフェスティバルで気になったこと
まずはミドルスクールの学生さんがzineを作り、出店しているブースがありました。中には印刷とかしていない子もいたりして、作った5冊、内容は同じだけど全部手書きで作っているのがあったり、、、確か1冊2ドルで販売していたはずです。
これ、すごくいいアイデアだなと思いました。自分の伝えたいテーマを自分で選び(なのでコーヒーのzineを作っている子がいると思いきや、エコをテーマにしたzineを作っている子がいたり、、、)zineを作ってアウトプットをする。それを誰かに購入してもらい読んでもらう。zine自体は決してクオリティーが高いわけではないけど、最後に誰かの手にわたるまでの一連の流れ、学校のプロジェクトとしてすごくいいなと個人的に思います。
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このミドルスクールのブースにいた学生さんと少しお話しをしていたら、トレードできる?って聞いてくれたので、トレード用に作っていた読書テーマのzineと早起きテーマのzine、この2つの中から選んでもらいました。すごい悩んでいたので、朝型なの?って聞くと超朝苦手って返って来たので、早起きzineをおすすめし、それを選んで持ち帰ってくれました。トロントほどではありませんが、「交換できる?」って何回か聞かれたので、やはり北米には交換の文化が多少なりとも存在するんでしょうね。
トロントのzineフェスに参加した時の配信でも交換文化について触れました。
サンフランシスコには日系の方も多く住んでいらっしゃいます。それも多少関係しているんだと思いますが、日本と関係のある内容のzineに興味をもってくれる方が多かったです。
ちょうどこの日本と関係のありそうなテーマで作ったzineに興味を持ち、買おうとしてくれた方がいたんですね。ただ現金を持ち合わせておらず、その場を立ち去ったのですが、少しして現金を持っている友人とともに戻ってきて購入をしてくれました。そのお友達は4年ほど日本に住んでいたらしく、日本語も話されるのでしばし日本語で日本の話をあれこれ、、、
プラス「今トロントにいるの?」と聞かれて、zineを作っている友人がトロントにいるので話しておくねって言ってくれて、、、さっそくその方のお友達らしき人がインスタをフォローしてくれていました。もちろんトロントにいる方とは会ったこともありませんが、こういうつながりってご縁だなとつくづく思います。同時にすごくワクワクした嬉しい気持ちにもなりました。日本がつなげてくれたのか、zineがつなげてくれたのか分かりませんが、まさに出会いに感謝ですね。
自分のブースであった笑っちゃうお話し
持って行ったzineの中にハードカバーで作ったミニサイズのzineというのがありました。これは2冊1セットしたもの。これを購入してくれた方が突如「サインしてくれない?」って言い出したんです。はい?!?!あなたは何を言い出すのかな?って感じですよね、笑。何度もやめた方がいいよ!って言ったのですが、すごく書いて欲しいらしく、、、この流れから言って、なんとなく漢字で書いて欲しいのかなーーーと気になり「漢字でってこと?」と聞くと読めないといけないのでアルファベットでふりがなが欲しいとのこと。
よく北米だと親戚の子にプレゼントで絵本をあげたりすると「叔母の〇〇より」ってサインを書いて欲しいって言われることがあります。要は大きくなってこの絵本をいつ、誰からもらったのかわかるようにだと思うのですが、、、本にサインしたのってその時以来かもしれません。
サインを書いて渡すと、「ね、特別になったでしょ?!」とにっこり。個人的には「うーんどうかなーーー」とまさに苦笑いってやつですね。でもまあ、彼らはえらい喜んでくれたようなので、よしとしましょうか ^ ^
zineに馴染みのない人に知ってもらういいきっかけ
zineフェス会場の一角にある小さな部屋っぽい場所をzineライブラリーとして開放をしていました。やってくる人の中にはzineフェスに始めて来ましたとか、友人が出店しているので来たけど、zineのことをあまり知らないんですっていう人もちらほら。なのでzineのライブラリーはこういう方にもzineに触れてもらいやすい場所としておすすめできるかもしれません。
販売しているテーブルでもzineを手に取って読むことはもちろん可能です。でもずーっと黙々と読むって多少の緊張感があるかもしれませんよね。ましてやあまり来たことがないという方は余計にそう感じるかもしれません。zineライブラリーであれば自分のいいなって思えるzineに出会うまで、思う存分、時間を気にせず読むことができます。同時にzineのイメージもつかんでもらいやすいかもしれません。
せっかくなら自分も参加できるならより楽しめるのでは、、、
SFZFでは予約など必要なく無料で楽しめるワークショップがたくさんありました。例えばポスターサイズの大きな模造紙にページを作り巨大なzineをみんなで作ろう的なワークショップとか、小さなバッチをカスタマイズして作れるテーブル、シルクスクリーンを体験できるテーブルもありました。残念ながら自分でインクをのせる作業はできませんが、好きなデザインを選ぶと生地またはペーパーにそのデザインをシルクスクリーンでのせてくれます。あとはシンプルに自分でzineを作ってみる体験ができるテーブルもあったり。みなさん雑誌とハサミを片手に世界に1冊のzineを思い思いに作っていましたよ。
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私もバッチ作りとシルクスクリーン体験をランチタイムに楽しませてもらいました。自分好みのzineを探すのももちろん楽しい時間だとは思うのだけど、何かしら手作業でやってみる、しかも簡単で誰でもささっと参加できるものがあると終わった後の「楽しかった!」の気持ちが違ってくるのではないかなーなんてたくさんのワークショップを見ていて思ったところです。
さてサンフランシスコzineフェスティバル、想像以上に楽しかったです。サンフランシスコはアメリカの西側なので、今度はアメリカの東側のイベントにも出てみたいなーなんて思ったりしています。まあ東側はトロントからも行きやすいですしね。やっぱり東と西では文化的にも違っていたりすると思うし、興味を持つzineの内容とか、雰囲気とか、人と人との距離感とか違ったりするんだろうか?なんて想像しています。今回サンフランシスコのzineフェスに参加したことで、別の場所で参加した際、いい意味でその違いに気がつきやすいかも。参加することがあれば、またnoteでも書いてみたいです。
愛してやまないサンフランシスコでzineフェスに参加。みなさん、少し前のめり感を持って参加しているからなのか、会話の距離が近かった気が。今回も学ぶ事が多く、zineを軸に小さなつながりが広がっていると実感できるイベントでもありました。そしてなにより楽しかった!#zine #zinefes pic.twitter.com/1qTAQ4Zrja
— Oke (@okestyleszakka) October 14, 2024
サンフランシスコzineフェスの様子を動画にしてみました。雰囲気が伝わったらいいなー。
OKEの活動などはこちらから
https://lit.link/okestyles