いっせいトライアルでプレイしたインディー作品を綴る
Nintendo Switch Onlineに加入していると時々「いっせいトライアル」という特定の作品が1週間無料で遊び放題になるイベントが行われます。競合他社のサブスクリプションサービスと比べると弱い印象はありますが、ノートPCにSims4を入れてうっかりPCを溶かしかけたことがあるくらい機械音痴な筆者にとっては、話題になったインディー作品などをSwitchで触ることの出来る良い機会になっています(Steamdeckのため貯金中……)。
そんないっせいトライアルに選ばれた作品の中から、自分がプレイすることができたインディー作品について感想を残していきたいと思います。ネタバレは極力避けたいと思いますが、筆者の感想から物語など読み取れてしまう場合もあるかとは思いますので、その点はご了承願います。
◆セレステ
高難易度2Dアクションと聞いていたので最初はためらっていたものの「よゐ子のインディーでお宝探し生活」にて紹介されたのを見てやり直しも用意でアクションの感触も良さそうだと感じたので思い切ってプレイしてみました。実は筆者、現在はそれなりに上達しているはずですが子どもの頃にNewマリオブラザーズがクリアできなかったくらい2Dアクションに苦手意識があるんですよね。
この作品、アクションとしてもシナリオとしても全然優しくはないのですが、むしろその厳しさが癒しであるんだと感じました。失敗は勲章の言葉通り、本当に何度失敗してもペナルティはないですし、もう少しで上手くいきそうだと思えるから何度痛い思いをしても挑戦しようと思えました。
道中が厳しくても、リトライできるポイントが細かく設定されていてかつリトライできるまでの時間が短ければゲームに降参しなくてもよいのですね……。近年はこうしたアクションゲームは豊富にあることをありがたく思います。
実は奇しくもこの作品をやっていたとき私はたびたびパニック発作を起こす症状を抱えていまして、この作品から投げかけられる優しさや厳しさがそんな症状からの回復の助けになったのではと考えています。自分の心を救ってくれたこの作品に触れることができてよかったです。
◆7DAYS END WITH YOU
※ややネタバレ注意!
未知の言語を話す相手とコミュニケーションを取り、知らない単語の意味を類推して物語を読み解くという実にゲーム的な作品です。作品を語る上でネタバレに踏みこんで話す部分もありますので、まだプレイされていない方は是非体験してみてください!
自分で単語を類推するのは正直合ってるんだか合ってないんだかの不安も大きく難しい部分もありましたが、シチュエーションに合った言葉を使うことができたり相手の指示をきちんと理解してミニゲームを成功させたりしたときに相手が明らかに嬉しそうにしているのを見て、こちらの胸も暖かくなるような体験ができました。
1周目は「この人は献身的に主人公を助けようとして助けられなかったんだなあ。よくある、美しい物語だ」なんて悦に浸っていたのですが、妙に最後に同じ言葉を連呼していることに気づき、そういえばこの言葉自分が解釈した意味とは違う場面でも出てくるなーと違和感を覚えました。もしかして自分が解釈した意味とこの人が言っているニュアンスは違うのでは?
あなたは言葉を自由に感じ取ることができますなんて言われつつも、物語をしっかり読み解きたい筆者の性分が勝り、ネタバレを恐れつつも慎重に作品について調べると大変有力な情報が。
なんとこの作品に出てくる言葉は解読可能だったのです!
そしてこの画像は筆者が解読を試みてもがいた後です。シャーロックホームズの踊る人形の謎を自分で解いているみたいで非常に楽しい瞬間でした。そして案の定、引っ掛かった言葉はおよそ私が想像していた物語の世界観では出てこないような単語で驚きと共に、なんとなくこの物語に感じていた違和感も含めて納得できるものだったのが印象深かったです。物語を感じても読み解いても美味しい、そんな素敵なゲーム体験ができたことに感謝したいです。
◆Spiritfarer
※ややネタバレ注意!
滑らかなアニメーションが特徴的な2Dアクションスタイルの作品です。航海の旅をしながら魂の乗客をいつか来るお別れの時までおもてなしする非常に幻想的な作品になります。こちらも世界観に踏み込んでお話ししますのでまだプレイされていない方はネタバレ注意です。
最初こそ「アルファでありオメガである」という筆者特攻のワードが出てきたり登場人物のトラウマが実際にクラゲの大群やドラゴンといった形で海上に表現されていて幻想的な世界を巡る優しい冒険なんだと思ったのですが……。
物語を進めていく内にもしかしてこれ「介護シミュレーションなのでは?」という気持ちが強まってしまいました。
まあ乗客など世界に存在している人のほとんどが「魂」ということでなんとなく察せる部分がありますが、船上で生活を共にするのは色んな後悔や未練を抱えている方々です。プレイヤーは乗客の思い出に寄り添いながら料理を作ったり住居を提供していくわけなのですが、中盤くらいから認知症・暴言・痴情の縺れなどなど様々な困難にも寄り添っていくことになります。
そして「別れ」は最も大切なイベントですが、中には筆者にとっては強烈に辛さがフラッシュバックするお別れをするキャラクターもいて一度プレイを中断してしまったこともありました……。
それでも黙々と作業に勤しんだりお宝を探して航海を続けることが癒しになるんですよね。乗客そっちのけでいかに効率よく船内を回れるか考えて住居を組んだり、いかに目的地に着くまでに乗客の機嫌を確認したり料理や農作業をするのを終わらせられるか考えたり、タスク管理は大変ですがついつい夢中になって船内を駆け回ってしまいました。
ただアニメーションは滑らかで美しいのですが妙にアクションがシビアだと感じる部分もあったり、乗客や一般魂のセリフには哲学・詩的なものが多かったりストレートな暴言を目にすることもあって面喰らったり、まあ色んな意味で刺激的な作品だなあと思いました。是非ご賞味あれ。
◆EAST WARD
よくMOTHERライクな作品だと評価しているレビューを見かけたので気になって遊んでみたのですが、実際にはかなりゼルダライクなアクションRPGでした!こちらはピクセルアートのひとつひとつが美しい作品です。アクションも滑らかで背景の書き込みも圧巻の一言です。
MOTHERやゼルダどころかジブリやその他もろもろの作者がすきな要素を詰め込んだ宝箱のようなゲームです。グラフィックのせいで損しているなんて評判を目にしたこともありますがとてももったいないなあと感じます。
筆者としてはアクション部分も不満に感じる点が少なく最後まで理不尽な難易度のものがないゲームバランスが絶妙な作品だと感じました。謎解きや仕掛けも一部の収集要素を集める以外は難解なものもなくそれでいて飽きさせないように工夫されているなあと思います。
この作品は正直一切の前情報なしで遊んでほしいくらいです。一見するとまどろっこしいやり取りがシナリオ中にあったりするのですが、そのほとんどが伏線だったりフラグだったりしてどこかしらで何かしらが回収されるので油断できません。
是非主人公の目から見た世界を見て回って欲しいです。
この物語に登場する人々の捉え方はいろいろありますが、それでも最後には「今この世界に生きている人たちがすきだ」と思ってくれたら筆者は開発者でもなんでもないですけど嬉しいと思います。
いかがでしたか?
まあ「いっせいトライアル」って1週間無料で遊び放題なイベントではなく「1週間じゃ遊び尽くせないよね^^買ってね^^」という意味合いが強いイベントだと筆者は勝手に思っているのですが、まんまと何作品かは購入しているので本当に任天堂の手のひらの上で転がされている感じがしますね……。
何はともあれ個人的には2023年はインディー系の作品もかなり遊んだ年になりそうですので、また文章を残していきたいと考えています。このnoteがまだ知らない作品を手に取る機会になることを願っています。それではみなさん、良きインディーライフを!
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