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【読書感想】青い城
今年のベスト本!!!とかもやってみたいが書けるかわからないのでとりあえずいつも通りためていた下書きを投稿していこう。
青い城 モンゴメリ/谷口由美子訳 角川文庫
『赤毛のアン』の作者モンゴメリによる小説。なぜ読みたかったのか、そしてモンゴメリって誰?と全然把握していなくて読みたい本リストに入っていたから借りてきたけど洋書かあ、あまりにも文学的過ぎる場合、訳との相性もあって読みにくかったりするんだよなあと少し微妙な気持ちだった。けど裏表紙でも読むかあと思って読んだら、期待が膨らみました。この後半部分から急にテンションが変わっている感じがして面白くないですか!?
貧しい家庭でさびしい日々を送る内気な独身女、ヴァランシーに、以前受診していた医者から手紙が届く。そこには彼女の心臓が危機的状況にあり、余命1年と書かれていた・・・・・・。悔いのない人生を送ろうと決意した彼女がとった、どんでもない行動とは⁉ ピリッと辛口のユーモアで彩られた、周到な伏線とどんでん返し。すべての夢見る女性に贈る、心温まる究極のハッピー・エンディング・ストーリー。幻の名作がついに文庫化!
いやあすっっっごく面白かったです。最後のほうに少しくらいだけ言いたいことはあるんですけど、ヴァランシーがそこが彼の魅力じゃないとわかっていればいいかあと思ったので文句はおいておいて……。
自己啓発本のような形で「明日死ぬと思って生きろ」とか言われるよりこれを読んだほうがいいですね。ヴァランシーは余命1年といわれたのでこれまで抑えてきた自分の気持ちに正直に生きていくんだけれどもその痛快なこと。
特に好きなところは第二十一章のヴァランシーの愛についての描写です。前後もいいのですがこの点がついて強調されているところが本当に好き、愛とはそういうものだと思うよホント。
、、、、、、、
とにかく、ヴァランシーは愛を知ったのだ。それはめざましい変化をもたらしたことだろう。ただ愛するということ!愛されなくてもかまわない。ただ、夏の夜、白く輝く月光をあびながら、松の森から吹いてくる風を頬に感じて、黙って彼のそばに座っているだけで胸がときめくのだ。
展開はけっこうよめる感じなのでわかってはいたけど!来るとは思っていたけど!没入して読んでいて第三十五章で沈んでつらかった。ヴァランシーは別に全く別の人になったわけじゃなくて、何なら結構環境や状況に左右されるタイプだと思う、だから状況が変わった時にまた曇った眼鏡をかけてしまっている感じになって取り戻したあなたを失う必要はないのになあと悲しくなってしまって。主人公に気持ち引きずられがち(笑)
本当にすごく面白かったなあ。『赤毛のアン』もきっと子供の頃に読んだんだろうけれどいまいち覚えていないのでまた読んでみようかな!