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【読書感想】最近読んだ本5冊

師走すぎていて、疲れている。どのくらい疲れているかというとおしゃれな健康診断機関の水槽の魚を眺めながら「朝きてこの鮮やかな魚のうちの何匹かが死んでて浮かんでたら、それを患者さんが来るまでになんとかしなきゃいけないんだろうか」とか考えちゃうくらい。いつもは聞かない大塚愛が突然聞きたくなりずっと流しちゃうくらい。しかしそれでも、というかむしろだからこそ本は読んではいます~感想を投稿していられないだけで。

信仰 村田 沙耶香 文藝春秋

今年は『きれいなシワの作り方 淑女の思春期病』、『殺人出産』、『生命式』と村田沙耶香たくさん読めてて嬉しい。作家には色んなものを書く人と一つを極める人がいるように思っているんだけど、村田さんは一つのことをずっとずっと書いているのかなと今年読んだものたちを振り替えって思う。"普通"に馴染めない人が出てくる話が多いような。"普通"とか"常識"は変化していくもので、その波に乗れなかったときに、だって前までは違うことを言ってたじゃんという気持ちはわたしにもあるように思う。子供のときに教えられたこと、見てきたテレビ、扱われ方、そういうのと今の時代の価値観みたいな、流行りの考え方みたいなのって違うよなって。表題の『信仰』だけで一冊書いてほしい感じの長編でもいいんじゃないかなって話だったなあ。

われはロボット決定版 アイザック・アシモフ/小尾芙佐 ハヤカワ文庫

決定版だったか不安になってきたな?いや~、面白すぎてびっくりしちゃうな~。ロボットを扱う会社に務めている人たちなのに、ロボットに翻弄されて、なんとか危機を脱するという筋の話が多いんだけど、なんでこんなに面白いんだろうか。ロボットへの愛が伝わってくるからかな。

一心同体だった 山内マリコ 光文社

女たちの話は好きだけど、女たちに仲良くやっててもらいたいし、できればその仲は長く続いてほしいと思ってしまうので、そういう意味でとっても大好き、みたいな感じではなかった。なんだかうまいことそういうしがらみみたいなところを免除されてきたのでいまいちわからなかったというのもあるかもしれない。

月夜行路 秋吉 理香子 講談社

さくさく読める。公式の内容紹介をみても書いていないんだけど、『月夜行路』というタイトルは志賀直哉の『暗夜行路』からきていて、全ての章が文学作品と関係あるし、名所を巡ったりするので、これは文学作品紹介本でもあるといえる、というかそっちがメインかな。

わたしに会いたい 西加奈子 集英社

図書館で予約していてやっと自分のターンがまわってきた。がんの話が出てくるたび『くもをさがす』を思い出す。かなりご本人のエッセイとリンクしてるなあと思う。全体に今のわたしにはちょっと怒り?殴りにいく力?が強すぎるというかあからさますぎたかな。でも『ママと戦う』という作品はとても好きだったな。ちょっと泣いちゃった。

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