翻訳って難しい
ねぇ村上春樹って読んだことある?
うんあるよ。ノルウェーの森とかあとなんだっけなあ。
あの人毎年ノーベル賞獲る獲るって言われて勝手に残念がられて何かかわいそうだよね。ファンが熱望したり残念がったりするのは有難い事なんだろうけどきっと。ムラカミストだっけ?
ハルキストな。
あぁアレはムラ神サマか。世界中で読まれてるんでしょ?ハルキスト。
いやハルキストはファンの方な。村上春樹作品は色んな言語に訳されてるんだろうね。世界中にいるんだよハルキストは。きっと。
それならそれで十分だね。村上春樹冥利に尽きるってとこだよね。
なんかよくわからんけど。まあノーベル賞目指して小説書き始めたわけじゃないだろうしな。
でも世界中の人は村上作品の良さを本当に解って読んでるのかしら。
そりゃあわかんないけど小説読んでどう感じるかとかどう捉えるかとかは人によって色々じゃないの?って読んだことないんだろ?
まあそうなんだけどさ。ほら日本語に翻訳された海外の本ですごく読みにくいのあるでしょう?なんか学校のテストの模範回答みたいな。
あぁあるね。「彼はしばしば彼女の思うところの真実すなわち記述された不確かな推測に同意した」みたいな。
そう3回ぐらい戻って読み直すよね。しばしばってそんな時しか使わないしね。まあビジネス書なんかだったらそのまま難解な和訳を読破して洋書を読んだ感を味わうの込み込みで納得してもいいんだろうし、逆にミステリーなんかだと大筋が正しければ別に多少意訳っていうの?意味が通じるように分かりやすく原文から変えちゃっても読者が楽しめればいいわけだよね。でも文学作品系は翻訳者の腕前でかなり違ってくるんじゃない?
だから洋書は原文のまま読まなきゃダメってよく聞くよな。原文のままさらさら読めちゃう日本人なんて限定的だろうけど。
そうそう。それに欧米作品の著者やその国の読者が日本語を十分理解できる確率なんてもっともっと低いんだから和訳された作品を「うん、それでオッケー」なんて判断できるわけないわよね。
たしかに他言語翻訳の良し悪しは村上春樹にもハルキストにもなかなか判断できないか。
たぶんね。ビジネス会話やメールぐらいならいいけど言語の壁って想像以上に大きいのよ。
日本に長く住んでる外国人に対して日本語お上手ですねって言う時点でちょっと言語的にマウントとってる感たしかにあるね。
テレビで通訳見てても思う事があるんだけど日本人が外国語を日本語に訳すときなんかは生真面目感があってね、本人が言ったことをもらさず訳そうとしているように見えるんだけど、外国人が日本語を他言語に通訳してる場面では、え?それだけで伝わってる?って感じるとき結構あるのよ。
そう考えると村上春樹作品の良さがホントに他言語で表現されてるか怪しいね。ノーベル文学賞の審査員に対して怪しいね、はないか。
まずは図書館でノルウェーの森借りてくるわ。
うん、読んでから語れ。