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台湾ボドゲイベントTOBE2024に初出展しました
ボードゲームサークルとして
OKAZU brandの状況
私たちは17年ほど活動しているアナログゲーム制作サークルで、自費出版した作品をイベントやお店に卸して売ったり、その作品の版権を国内外の出版社に買ってもらって印税をいただいたりすることで作り続けることができています。
売り込みはもちろん、大きな作品が海外で出版されるタイミングに合わせてドイツの見本市Essen Speielには当時ヤポンブランドの一員としてブース参加、アメリカの見本市GenConには見学に参加したことがあります。ただし単独で海外イベントでブースを出したことはありませんでした。
今回の台湾イベント参加のきっかけ
主催者が、海外出展や日本でのイベントをきっかけとした友人であり、何回も「台湾イベントに来て」と言ってもらっていました。台湾イベントに参加経験のある友人のアナログゲームデザイナーとお酒を飲んでいた時に、とても楽しかった話を聞いて、ずっと誘ってくれている主催者にも悪いし今年こそ参加してみようか、と腰を上げて主催者に連絡をしました。
実は参加締切は過ぎていたのですが、友人のよしみで無理してスペースを用意してくれたようです。締切はちゃんとチェックしましょう……。
事前準備
事前準備については、主催者からの参加サークルへのニュースメールが頻繁に届くのも安心でした。
まずはマニュアルの中国語(繁体)翻訳です。
こちらは当てがある人はそちらに任せればいいのですが、私たちには何の当てもないので、主催者にお願いして翻訳者を手配してもらいました。
翻訳が来たら、レイアウトして、ラクスルでチラシ印刷にかけました。
販売する作品は事前に郵送します。このやり方については主催者からニュースレターで案内があります。
現地で手伝ってくれるスタッフは、主催者に要請すると手配してくれます。言語(英語、日本語)、人数を申し込むと、完全に要望通りになることは保証されませんがイベント側で集めてくれます。もちろん、彼らには時給が発生するので、こちらで払わなければなりません。
このスタッフさんの手配は私たちには必須でした。中国語での説明、試遊が中心のイベントになるので、スタッフさんにほぼ完全にお任せする形でのブース運営となりました。
スタッフさんたちとはLINEでグループを作り、翻訳ツールもグループに加えてチャットすることで円滑に情報共有ができました。便利なツールに感謝しかありません。
また、ポスターやスタンド付タペストリーも申し込み制で印刷してくれます。会場まで持って行く手間も省けるのでとても助かりました。
宣伝は、X、Facebook、Instagramで行いましたが、手応えはわかりませんでした。台湾の方はほぼXは使っておらず、Facebookで活発に交流されているとのことでした。また、影響力のあるブロガーの記事を読んで来た人が多かったようで、現地のインフルエンサーに引っ掛かるかどうかなのかもしれません。
準備
イベントは金土日の3日間でしたが、前日に会場で準備をすることができます。試遊用に大きな机を2つ配置し、販売用に1つ小さな机を配置しました。日本から持っていった布をかけ、日本のイベントでも使っているタペストリーで壁を装飾しました。
事前にオーダーしていたポスターが何かの手違いで紛失されてしまい届かなかった(料金はかからなかったのでOK)ので、念のために持っていったタペストリーがあって本当に良かったです。
そして、旅行トランクに詰めていった中国語マニュアルを折って、PP袋に封入して、ブースまで届いた作品たちにマスキングテープで貼付していきます。
(作品を郵送するタイミングと、マニュアルが刷り上がるタイミングが合わなかったため現地での作業となりました)
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夜になるとゲームナイトとして、各ブースでゲームが行われます。主に、スタッフにイベント期間内に説明してもらうゲームのルールの確認をしてもらう時間でした。
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当日
金曜日は平日ということもあって人は少ないよ、とは言われていましたが、それでも多くの人がブースまで訪れてくれました。
とにかくこのイベントは参加者がゲームを遊びに来ています。1つのゲームを終えると、じゃあこのゲームはどういうゲーム?と次々と試遊を求めてくれます。2卓用意した試遊卓は、ぎゅうぎゅうに詰めて半分ずつ使って4卓が周り、スタッフが間に立ってマルチに説明するという場面が何度も見られました。
そのスピード感ですから、現地のスタッフにお願いしてどんどん説明してもらってよかったです。
私たちは英語も得意ではありませんが、スタッフとはその拙い英語か、翻訳ツールでなんとか意思疎通をするしかありません。日本語がわかるスタッフもお願いしたのですが最終日だけの手配となってしまいましたので……。
スタッフは全員親切で私たちの意図を汲もうと頑張ってくれましたが、もうちょっと英語ができればよかった……。
昼ごはんは、本当にありがたいことに、別に出展している日本サークルの友人がまとめてUber Eatsで手配してくれました。それをスタッフさんたちと交代でブース内で食べました。ツワモノのスタッフは食べながらお客様にインストしてました。
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土日は金曜の3倍は人が来るよ、と言われていましたが、今回はものすごい豪雨となり、人出は少ない方でした。それでも試遊卓はずっと回り続けていました。
では売り上げはどうかというと、雨天続きもあるとは思いますが、正直あまり良くはありませんでした。デッドストックとして持っていったいくつかのゲームだけは早々に売り切れ、売れ方としても不思議な感じです(後になって、やはりブロガーさんによる影響と知りました)。
基本、遊びに来る人がほとんどのイベントなので、みんなゲームを遊び倒して満足して帰ってしまいます。
うちのスタッフさんが優秀すぎて「日本から作家がきているよ!サインをもらって写真を撮ろう!このチャンスを逃すことはないよ!」と呼びかける戦略をとってくれたおかげでかなり売れた方だとは思いますが、それでも想定よりは少ない方でした。本当にめちゃくちゃサインしました。ずっとサインしていました。
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片付け
3日目の会期も終わって、ブースの片付けですが、スタッフさんも手伝ってくれて実にスムーズでした。
ゴミは全て持ち帰らないといけないので、台湾のゴミの分別を知らないとかなり手間取りそうですが、私たちは今回多くのゴミは出なかったので宿泊しているホテルまで持ち帰りました。
ただ機材を畳む時にOKAZUが軽い怪我をしてしまいました(その夜食事の約束をしていた台湾人の友人に薬を買ってもらって対処できました)。海外なのもあって注意しないといけませんね。
台湾出展を考えているサークルさんへ
どうしても旅費がかかりますし、コミュニケーションが円滑にいかなかったり、準備も大変ですし、バカ売れ!儲かって儲かってウハウハ!……というイベントでもありませんので、目的をはっきりさせて行くことが必要かなと思います。
・台湾で販売ルートを探す
台湾のゲームショップの方とも会場や交流会で知り合うことができます。名刺交換をたくさんしましょう!いくつかのゲームはその場で台湾のショップに卸させていただきました。
・アジア圏での出版を狙う
中国語のローカライズを考えてもらうために、出版社の方と知り合ったり、気に入ってもらえそうならサンプルを渡すなどのアクションをとりましょう。私たちも交流会で名刺交換をした会社のブースまで翌日サンプルを届けました。
・インフルエンサーに見てもらう
連日、ブースに何組もyoutuberやブロガーの方がいらっしゃいました。翌日に「ブログでここのゲームが話題になっている」とブースまで来てくれたお客様もいました。
・友達をたくさん作る
台湾のゲーマー、ゲームデザイナーはもちろん、同じイベントに出展している日本のサークルのみなさんとも、食事をしたり相談をしたりと親交を深めることができました。今回手伝ってくれた台湾スタッフさんたちとは苦難と共に乗り越え過ぎて深い深い友情が結ばれました。
台湾初旅行の1参加者として
Uberを入れておいて良かった
タクシー配車アプリのUberは本当に重宝しました。待ち合わせ場所も目的地もアプリ上で指定し、支払いもあらかじめ登録したクレジットカードから引き落とされるので、乗る時にUber利用であることさえ伝われば運転手さんと一度も言葉を交わすことなく目的地に着くことができます。中国語しかできないドライバーさんにとっても安心ではないでしょうか。
目安の金額もあらかじめ出るので、遠回りされたりぼったくられたりという心配もありません。
日本にいる間にぜひ入れていってください。
LINE翻訳ありがとう
上記でも書きましたが、スタッフとのLINEグループで翻訳機能を利用することで本当に円滑にコミュニケーションがとれました。
交流会やブースで、台湾の人たちと英語でコミュニケーションをとっていてどう話していいのかわからなくなった時も、このLINEの機能を使って画面を見せることで交流することができました。
持っていった方がよかったもの、持っていってよかったもの
・着心地のよいルームウェア
ホテルのルームウェアが柔道着のようなゴワゴワさで、寝苦しくて何回も起きてしまいました。
・サンダル
何度も豪雨に見舞われ、靴がびしょ濡れになりました。ドライヤーで無理やり乾かしたもののずっとしっとりしていました。現地の人はクロックスのような濡れても良いサンダルが多く、濡れた時や街歩き用にサンダルを入れておいてもよかったなと思いました。または現地調達できたらよかったのですが。
・余分のTシャツ、または乾きやすいTシャツ
9月でも湿度も高く暑く、汗をたくさんかきました。そしてホテルで洗って干してみたものの終始湿度が高く、乾きづらくて臭くなりました。慣れた人は現地調達もできるのでしょうが……。
・使い慣れたシャンプー類
OKAZUが1日目にホテルの備え付けのものを使ったら合わずにてきめんに荒れました。ドイツでもそうでした。にゃもが持っていってよかった。そこらにコンビニや薬局もあるので現地調達もありかもしれません。
・無印良品の衣類圧縮袋
衣類はとにかく圧縮しました。帰りも洗濯物を圧縮しました。そんなに高くはないので、汚れ物を入れるのにも抵抗はありませんでした。本当に便利!
友達は大事
あまりにもあたりまえのことではありますが、多くの友人の手助けのおかげでなんとか乗り切ることができました。色々下調べは尽くしたのですが、予想外のことがたくさん起こります。
事前でも現地でも、日本人台湾人関わらず多くの友人知人に質問したりお願い事をしたり相談をしたり。それらがなければ何もできなかったと思います。
台湾イベント出展に関わらず、迷っていることや困っていることはぜひ友人に聞いてみてください。そのための友人を、日本でのイベントなどでぜひ作って、教えあったり助け合う関係を築いてください。一度食事に行っただけでもずいぶん関係性が変わります。
私たちも人見知りで人に話しかけるのが苦手なのですが、イベントで売り上げが高い低い以前に、イベントには人と出会えるというチャンスがあるのだなと思いました。今回の台湾イベントでも多くの人と出会えたり、再会できたことが一番大きな収穫だと思いました。
個人的には、今回台湾参加にあたって一番参考にさせていただいたのがマサさんのFanboxの記事だったのですが、そのマサさんに会場でお会いし、ご飯もご一緒できたのが嬉しかったです。
とても楽しい旅行でした
今年はボムスカッドや横濱紳商伝新版など海外で多くのOKAZU brand作品が発表されたので、お祝いを兼ねてフルキャリア航空会社&五つ星ホテル(クーポンとポイントを全部使いました)と豪華な旅行にしました。
なのでとてもイベントでの売り上げで黒字にすることは難しい遠征ではありましたが、旅行として大いに楽しませていただきました。
連日の豪雨のため夜市は諦めましたが、近場で済ませたにしてもご飯はどれもおいしく、ポケモンセンター台北や、故宮博物院も回ることができました。
今回でだいぶ勝手が分かりましたし、来年以降参加するときは、LCCにしたりホテルも利便性と価格を比較して色々探したりと工夫することになりそうです。
その時にはまた日本や台湾の多くの方とお会いできることでしょう!
もしこれを読んで参加したよ、という方はぜひ現地でお声がけください。