毒親、愛、灯台
今回の緊急事態宣言では映画館が休館しなかったことに少しホッとしています。引き続き感染対策をしつつ、なるべく混まない時間帯を狙って映画館には通えたらいいなと思います。ちょうど今カンヌ映画祭開催中なので、その結果も楽しみです。映画の感想がたまっているので3本まとめて。
まずは「RUN/ラン」から。いわゆる毒親ものだと思って観ていたら、最後の最後までいろんな意味で猛毒!母親役のサラ・ポールソンのホラー顔が恐ろしくて背筋が凍りました。細かい説明はないけれど、毒親の母もまた毒親だったのだろうなという描写が。(だからといってあんなことは許されないけども)娘のクロエの知性と、諦めずまさに「走り続ける」強さに希望を感じました。
次は「スーパーノヴァ」です。タイトルだけだとSFのようですが、とても静かで美しい愛の物語でした。いくらでもお涙頂戴にもっていけるテーマを、あえて抑えた演出と演技で描いていて余計に胸に迫るものが。最後のピアノのシーンはコリン・ファースが実際に弾いているそうで、だからこそひしひしと伝わってくるものがありました。スタンリー・トゥッチのことを今までマーク・ストロングと混同しがちでしたが、彼もとても素晴らしい俳優さんなんですね。地味だけどいい作品だったので、お時間あればぜひ。(時々出てくるモフモフのおドッグ様にも注目)
最後はA24 作品「ライトハウス」です。前作「ウィッチ」が面白かったので観たのですが、より寓話的でギリシャ神話やエドガー・アラン・ポーの小説など引用も多くやや難解な仕上がり。灯台のズシーンと響く重低音や、最後まで途切れない緊張感と重々しい空気の間に挟まれるブラックな笑いが救いでした。「ウィッチ」のヤギに続いて、今作ではカモメの怪演が光っていたのも印象的。(海鳥って目が怖い)改装後初めて渋谷のシネクイントで観たのですが、音がとてもよく世界観にどっぷりと浸れたのもよかったです。
見出し画像はロイヤルホストのマンゴーブリュレパフェ。今はメロンに変わったのでまた行かなくては。