「オン・ザ・ロック」

　ソフィア・コッポラ監督「オン・ザ・ロック」を観たので感想を。あまりA24らしさはないけれど、ビル・マーレイ演じるフェリックスとラシダ・ジョーンズ演じるローラの父娘コンビが相性ピッタリだったのと「破天荒だけど憎めない父娘もの」に弱いので楽しめました。ローラへの誕生日プレゼントに象徴されるように、父親からの卒業映画でもありました。

　フェリックスの張り込みが軽自動車にアンパンではなくアルファロメオにキャビアだし、スピード違反を見逃してもらったり、すぐメキシコに飛べるのも全てはお金と権力かい！と突っ込みたくなる部分もあるけれど、まぁこれはこれでソフィア様のテイストなんだなと昔ほどイラッとしなくなりました。（あの警察とのやり取りも現在のアメリカでは問題になるだろうし、コロナ禍やBlack Lives Matter以前のファンタジーとして捉えるなら）フェニックスの音楽にのせたニューヨークの街並みは美しいし、ウディ・アレンの後釜としてこういう映画をコンスタントにつくってくれたらいいのでは？（ウディはいろんな意味でもうアウトなので）

　ニューヨーク映画といえば、ノア・バームバック監督もいますが自粛期間中に観た「イカとクジラ」の破天荒な父親はお金も心の余裕もなく精神的に子どもたちが追い込まれていて辛い映画だったということを思い出し、やっぱりお金なのかい！とちょっと切ない気持ちにも・・・。

　ローラのカジュアルなファッションが素敵で、いつもつけていた太いゴールドのチェーンネックレスが気になりました。あんな感じでボーダーに合わせるとほっこりしなくていいですね。似たようなのを探してみようかと思いましたが、一歩間違えると昭和のチンピラになりそうなのでシルバーで。Loren Stewartのものがそれっぽいかも。

　見出し画像は最近食べた復刻版のスペースアポロです。低糖質や胚芽パンばかり食べていたので、久しぶりのあまーい菓子パンは悪魔的でした。