「LAMB/ラム」
A24作品「LAMB/ラム」を観たので感想を。愛する娘を失った羊飼い夫婦のもとに、さかなのこならぬひつじのこがやってくるというお話。
荒唐無稽なようですが、舞台となるアイスランドの雄大な自然は「こんな場所なら不思議なことが起こるかもしれない」と思わせるほどの説得力。風や雨の音、牧羊犬や飼い猫の視線、羊たちの息遣いや鳴き声などずっと不穏な空気が漂い、幸せそうなシーンですら「きっとこれは長くは続かないのだ」ということを予感させる演出が素晴らしい。
ひつじのこアダを実際に10人の子役が交代で演じたせいか、私の目には「やや羊寄りの可愛い子」に映り不気味さは感じず。特に花冠をかぶるシーンや、膝で猫がゴロゴロいうシーンは悶える可愛さ。アダを抱くマリアはキリストを抱く聖母マリアと重なり、ラストで天を仰ぐ姿は自分の罪を引き受け全てを悟ったかのように感じられました。スリラーというよりは、哀しい愛の物語。マリアの気持ちもアダの気持ちも分かるから、余計に胸が苦しかったです。
キリストを「神の子羊」と呼ぶように、羊は聖書にもよく登場する動物。可愛らしいようでどこか畏怖の念を抱かせる、羊の特徴がよく生かされていた作品だったと思います。
劇場でアダちゃんグッズがほぼ完売でがっかりしていたら、羊というか牧場の香り漂う可愛いニットが届きました。オーダーしていたDECO depuis 1985の月食ニットです。
袖のパフ具合が最高。マ・ドンソク並みの上腕二頭筋になっても着られそうです。中にレースのブラウスを着たり、つけ襟を重ねても良さそう。甘くなり過ぎないよう、ボトムはミリタリーパンツなどを合わせる予定です。
10月は少し風向きが変わるといいなと願いつつ、秋の味覚を楽しんだり気分転換していきたいです。