おかゆか

映画『Most likely to succeed』の舞台High Tech Highへ留学。オルタナティブスクールの立ち上げや公立校のグランドデザインに携わるなど、教員じゃない教育畑の人。愛読書は『トットちゃん』。長野県在住。野望は東洋哲学をヨーロッパで研究すること。

おかゆか

映画『Most likely to succeed』の舞台High Tech Highへ留学。オルタナティブスクールの立ち上げや公立校のグランドデザインに携わるなど、教員じゃない教育畑の人。愛読書は『トットちゃん』。長野県在住。野望は東洋哲学をヨーロッパで研究すること。

マガジン

  • ハイテックハイ記事まとめ

    全教科PBL型で教えられている米国のチャータースクール・ハイテックハイの留学レポート(黎明期のころのお話)と現在など、筆者視点でまとめています。

  • 教育のなんだっけ?を書いてみた

    教育業界を賑わせるホットワードを掘り下げております。多分にハイテックハイの実践例を取り上げております。

最近の記事

【ロン・バーガー氏のワークショップレポート】とにかくステキな方なので、この夏ぜひ多くの方に出会ってほしいという話

3月下旬。サンディエゴのハイテックハイ(以下HTH)を会場に行われる3日間の教育カンファレンス、Deeper Learning(以下DL) に参加した。 DLの目玉は、2日目に5時間かけて行うDeep diveというワークショップ。コンセプトは、参加者一人ひとりが学習者として学びに没入すること。様々な教育者によるおもしろそうなプログラムがある中、私が参加したのはロン・バーガー氏のプログラム。DLでも大人気講師のロンを、この夏開催するDeeper Learning Japan

    • 自分のことを大事にするって多分こういうこと。

      最近、「元気になったね」と言われるようになった。私自身、本を読みたいと思うようになったこと、文字を書く頻度が増えたこと、「こんなことがやりたい」と少しずつ意欲が芽生える自分に、あぁやっと調子が戻ってきたと感じられるようになった。本格的に適応障害の症状が現れてからここまで、1年かかった。 適応障害になって、猛反省したことがある。それは、死が頭をよぎるところまで自分を追い詰めてしまったこと。"死なない子を育てる"を信念にしていた自分自身が、死にそうになっていた。でも一方で、教育

      • ハイテックハイのベテラン教員ジョンに学ぶプロジェクト型学習②

        さて、忘れた頃にこんにちは。4月に行ったプロジェクト型学習(PBL)勉強会のレポート記事です。前回はハイテックハイ(以下HTH)の現役教員であるジョン・サントス氏から、「HTHではなぜプロジェクト型学習(PBL)を行っているのか、これからの教育に求められるものとは何なのか」というテーマでお話いただきました。今回は、PBLを効果的に行うためのポイントについてご紹介します。 ※HTHのPBLとは、プロジェクト型学習を指します。課題解決型学習との違いについてはこちらの記事をご覧く

        • ハイテックハイのベテラン教員ジョンに学ぶプロジェクト型学習①

          こんにちは。"ハイテックハイ(以下HTH)教育大学院オンラインコースを日本語に訳して学ぶ勉強会"を非常にゆるく主宰しております、オカです。 2020年、ハイテックハイ(以下HTH)教育大学院のオンラインコースが無料公開されました。これはHTHを深堀りできる素晴らしい教材だ!と思ったのですが、何しろ全編英語です。「1人で学ぶにはハードルが高い。よし、みんなで翻訳して学ぼう!」と有志を集めて勉強会を始めました。最初は10人程でスタートしたグループも、今や沖縄から北海道まで、50

        • 【ロン・バーガー氏のワークショップレポート】とにかくステキな方なので、この夏ぜひ多くの方に出会ってほしいという話

        • 自分のことを大事にするって多分こういうこと。

        • ハイテックハイのベテラン教員ジョンに学ぶプロジェクト型学習②

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          11本
        • 教育のなんだっけ?を書いてみた
          2本

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          つくることは学ぶこと。学ぶことはつくること。ここは、わたしの創る学校。【2021年度入学式典式辞】

          花々が美しく咲き誇る今日の佳き日に、新入生を迎えることができることを大変うれしく思います。ご入学、おめでとうございます。 みなさんは、この渋谷校舎で迎える最初の新入生です。少々アットホーム感が強いこの入学式に驚かれたかもしれませんね。私たちは通過儀礼である式典は大切に、しかし儀式よりも歓迎の気持ちを伝えるというこの式典の意味に重きを置いています。式典やさまざまな学校行事、部活など、あらゆることをイチからつくることはLoohcs高等学院の文化です。 Loohcsでは、つくる

          つくることは学ぶこと。学ぶことはつくること。ここは、わたしの創る学校。【2021年度入学式典式辞】

          いってらっしゃい【2020年度卒業式典式辞】

          ただいま卒業証書を授与した卒業生の皆さん、卒業おめでとう。 教職員一同、心より祝福いたします。 保護者の皆様におかれましては、ご卒業をお慶び申し上げますとともに、これまで私どもが賜りましたご理解とご協力に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。 さて、校長の話というのは、一般的に長くてあまり記憶に残るものではないでしょう。しかし校長としてこの場に立ってみると、みなさんに伝えたいことがたくさんあって、やはり長くなりそうです。ですから最後だと思って、お付き合いください。

          いってらっしゃい【2020年度卒業式典式辞】

          Loohcs高等学院の校長に就任しました

          私がLoohcs高等学院に携わってちょうど2年になる今月、校長に就任することになりました。 この2年間、私は教務以外のあらゆるロールで学校運営に携わって来ました。 1期生に合格発表をすると同時に、このまっさらな新規校を選んでくれた学生と保護者のみなさんの信頼に応えたいという気持ちで、今日までやってきた自負があります。どんな立場であろうと、学生たちが成長できる学校にするために最大限コミットするという想いは変わらないので、「校長をやってほしい」と言われた時も、仲間たちが私にと言

          Loohcs高等学院の校長に就任しました

          カナダ人も知らない小さな島での1ヶ月

          人生のターニングポイントがどこだったのかを振り返った時、カナダの離島で過ごした1ヶ月が忘れられない。2018年春に滞在したSaturna Island(サトゥーナアイランド)。ハチドリが庭に飛んでくるめちゃくちゃロハスな島。まさに人生の夏休みと呼べる素晴らしい体験だった。 しかし思い出とは美化されるものだ。当時のSNS投稿を見返してみると、「坂道、地獄」「ホームパーティー恐怖」「ダチョウこわい」「ブラックベリーF*CK」と書いてある。なかなか手ごわい1ヶ月だったことも間違い

          カナダ人も知らない小さな島での1ヶ月

          個別最適化ってなんだっけ

          「個別最適化」というと、何が思い浮かぶだろうか。教育業界でこの言葉が広く知られるようになったのは、文科省のGIGA(Global and Innovation Gateway for All. )スクール構想の中で示された「誰一人取り残すことのない公正で個別最適化された学び」という文言だと思う。しかし現場の先生方からは、混乱の声も聞こえてくる。例えば、「何を学校で教えて、何をICTに代替すべきなのか」「指導要領をICTでどう満たせばいいのか」「40人バラバラの進度と学習を管理

          個別最適化ってなんだっけ

          PBLってなんだっけ

          日本でPBLといえば、「課題解決型学習」をイメージされる方が多いのではないだろうか。地域課題の解決、グローバル市民として地球規模の問題を考えること。 実はPBLには2つの意味がある。Problem based learning(課題解決型学習) とProject based learning(プロジェクト型学習)。 どっちにもどっちの要素があると言えるし、大きく括ってしまえば課題解決型学習もプロジェクト型学習のひとつだと言える。 ハイテックハイのPBLハイテックハイ(以下

          PBLってなんだっけ

          「おかさんは何をしている人ですか?」という質問に完璧に答えるのは難しいのでこれを読んでください。

          「おかさんは何をしている人ですか?」という質問にいつもうまく答えられない。「学校の運営をやっています。でも教員じゃないです。」と言うと、「ファウンダー?」と聞かれることがある。うっふっふ、違います。 肩書としては、Loohcs(ルークス)高等学院の事務局長と教育コンサルタントである。しかし、他校の事務局長はおそらくこんなにドップリ現場に入っていないと思う。学生と一緒にチャリ旅に出かけたり、「無人島に行きたい」という学生たちとの野外活動に備えて野外救急法の国際資格まで取りに行

          「おかさんは何をしている人ですか?」という質問に完璧に答えるのは難しいのでこれを読んでください。

          High Tech Highの骨格ー10のシステム

          High Tech Highの良いところを10個教えて、という宿題をもらったので書いてみました。10個も捻り出したら、HTHの骨格のようなものが浮き上がってきた感じがします。 1. クリエイティブな授業、クリエイティブな生徒を育てる"先生"を生み出す環境HTHの最大の魅力は、なんといっても先生たちが魅力的なところだと思います。 HTHは公立でありながら、指導要領を使っていません。「何を」「どのくらい」教えるかは、それぞれの先生の裁量に任されています。だから授業を創り出す先生

          High Tech Highの骨格ー10のシステム

          【HTH】プロジェクト型学習ってこんな感じー人文科学

          学期の始めにもらった時間割表にあったHumanitiesという科目。 なんだ、この科目は。 速攻で辞書を引きました。 Humanities=人文科学=英語+アメリカ史 本来、交換留学生は英語とアメリカ史が必修です。 いわゆるツマラナイ授業2トップ。 それが1教科で済むなんてラッキー! この教科では、アメリカの民族史 (ふつうの歴史書よりも人々の生活に焦点を当てて書かれた本) を題材に授業が進みました。 ・宿題で本を読んでくる。 ・先生が解説する。ちょっとディスカッション

          【HTH】プロジェクト型学習ってこんな感じー人文科学

          【HTH】グループワーク、ぶっちゃけどう?

          構成型のPBLが基本のハイテックでは、授業は基本的にグループワークです。 2〜4人のグループに分かれてプロジェクトをすることが多かった。 当たり前ですがこのグループワーク、めちゃくちゃメンバーに左右されます。 仲の良い子と組めれば楽しくできるし、 優等生と組めたら勝手に成績が上がる。 逆に授業に消極的な子と組めば苦労するし、 ケンカになることも。 授業が先生によって違うため(同じ学年でも隣のクラスとまるで違うテーマを扱うことも多々)、当然ながら評価の観点も先生によって違う

          【HTH】グループワーク、ぶっちゃけどう?

          【HTH】プロジェクト型学習ってこういうことー数学

          HTHの授業が実際どういう感じだったのか。 印象に残ったプロジェクトで振り返ってみたいと思います。 数学 【円周率】 ・円周率について先生からレクチャー ・問題を解いていく ここまでは普通の学校と一緒。 ただし教員と生徒の距離が近いHTHでは、先生がレクチャーしている時にも質問があればいつでも話しかけることができるし、演習問題もグループ型の机で取り組むので、分からないところは先生か友達に聞きながら進めることができる。とてもリラックスしたクラスだった。 そして一通り単元の

          【HTH】プロジェクト型学習ってこういうことー数学

          だからHigh Tech Highは素晴らしい(再訪記2018.09)

          2018年9月ー 自分が教育に携わるようになって、改めてHigh Tech Highの教育を見たいなと思ってサンディエゴを訪れました。 授業の時間なのに、生徒が多数廊下をうろうろしている。 青空の下、芝生の上で輪になって話している生徒たち。 あー、この光景懐かしいなぁ。これぞHigh Tech Highだと思いました。 先生が何か一方的に話すのではなくて、基本的にグループワークで話し合いをしたり、何かを創り上げたりする授業なので、生徒が教室でちゃんと椅子に座って講義を受

          だからHigh Tech Highは素晴らしい(再訪記2018.09)